3月
21
2019
0

サカナとヤクザ

私達が食べている、カニ、うなぎ(しらす)、ホタテ、うになどの高級な魚介類の半分は密漁のものだという。

冬の夜中にライトも付けず、ゴムボートを使って潜ってとる。巨額の報酬のために、命の危険と犯罪を犯す。

密漁のものを食べることによって、不正をしている人やヤクザに対して資金援助をしていることになる。一方で私たち消費者は安く食べることができる。道端で軽トラックにカニを積んで売っているのを目にしたことはないだろうか。またスーパーや寿司屋でも普通の流通と区別がつかず、混じって密漁のものが売られているので、いつの間にか私達は密漁のものを食べていることになる。

歴史的な慣習に馴染んでいるので、不法にはなっているがなかなか改善されないという。警察や海上保安庁の人員不足で密漁を摘発しきれないという事情もあるが、漁師の昔ながらの慣習も変わらない理由がある。

漁師の年収の平均は200万円だという。漁獲量は年々減っていて、生活は大変になってきているそうだ。一方で、ロシアに近いところで漁師御殿を見たり年収が多い人達が紹介されると、密漁などに携わらずに成功しているのかなと疑問を感じてしまった。

Written by in: | No Comments »
4月
25
2017
0

[本]最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常

東京芸術大学って、受験倍率が20倍にもなるようなところだろ。
ものごころがつくようなときからバイオリンかピアノをやっていて、それでも入学するのは難しいところでしょ。
美術だったら、すごい天才しかいかないところだろうと思う。

そんな大学で学んでいる著者の奥さんが、ごく普通の作家の目から見た芸術大学とそこに通う学生を詳しく書いた案内本。
(著者はプロの作家なのでけっして普通ではないけれど、それでもわれわれに近いだろう)

東京芸大に入学してみたい人には赤本のように参考になるだろうし、アートの世界に触れてみたい人には学生ってどんな人なんだろうと興味が湧く。

まず、美術をやる人と音楽をやる人は、同じ芸術でも性格が全く違う。
簡単にいえば、静と動。

そしてそれぞれの学科でも全く違う。
音楽では、ピアノやバイオリンのメジャーのものは競争が激しく、他の楽器専攻もそれぞれ特徴がある。声楽はコミュニケーションが得意で女性を口説くのが上手だとか。
美術でも、油絵専攻と彫刻や彫金、染色などをする人では違うらしい。

でも、どれも天才的に極めているような人たちだ。
天才ならではな悩みもたくさんあるようだ。
芸大の卒業生は芸術の道でなかなか食べていくことは難しいそうだが、将来通して行きていけるようになればいいと思う。
旧ソ連や東欧のような社会主義だったら食べていくことは今よりもマシかもしれないのは皮肉なことだったかもしれない。

私自身はどちらかというと美術が好き。
お客さまを感動させるというのが音楽だけれども、何かないものを作り出すようなことが美術にあるから。

もし将来、AIが人間の仕事を取って代わったとしても、アートの世界だけは一番最後のような気がする。
だって、人間ならではのものだから、AIには無意味だろう。

Written by in: | No Comments »
4月
11
2016
0

[本]乳房に蚊


乳房に蚊

  • 足立紳
  • 幻冬舎
  • 1404円

Amazonで購入
書評

この本の背表紙は、白地に豊満な乳房が大きく描かれている。
乳房にはピンク色の乳首と停まった蚊が一匹。

なんとも不思議な絵柄だが、通勤の電車の中で本を広げながら読むのは少し恥ずかしい。
でも私はいい年なので、いまさら恥ずかしがること自体が恥ずかしい。周りを気にしないことにした。

しかし、この「乳房に蚊」という題名はなんだろう?
題から本の内容が全く想像できない。
帯には「結婚とは、永遠に続く倦怠期。」とある。そうか、倦怠期を迎えた妻の乳房か。
それにしては、ピンク色とは若くて初々しい。それに蚊の組み合わせ。
その不可思議な煙に巻かれながら、その謎を明かすべく読み始めた。

読み始めてみると、止まらない。文体が軽くノリが良いので、どんどん先に進めてしまう。
もう1ページ読もうと思っていたら、駅で電車を降りるのを忘れてしまった。
中断するのが難しく、一気に読んでしまった。

小説の主人公は、かつては輝いていたがいまは売れない脚本家。
その売れないときの仕事と生活の一瞬を切り取った物語。

作者の私小説に、作者のみが感じるような心理描写があり、テレビのドラマを見ているようだ。
日常の何気ない生活の中に、普通の人々が感じる不満とやるせなさと期待と苛立ちに共感する

ああ、いつか見た風景。こんな感じを抱いていたな。
そして、また同じようなことを言うのかも。

安心した生活にも、ちょとしたハプニングやイベントが生じ、また変わらない日々を過ごす。

まるでテレビの2時間ドラマを見ていたようだった。

Written by in: | No Comments »