「永遠の0」と「海賊と呼ばれた男」を運良く図書館で借りて続けて読みました。とはいっても半年待ったんだけど。
いまさら、戦争ものでしかもゼロ戦ものというテーマは、正直言って手に取りにくい小説だ。
書評で良い評価されていたり、口コミなどでいい本だよと聞いて初めて手に取れる。
現代人と60年以上前の人の接点をどう結びつけるかということについては、著者は流石である。
自分が今まで知らなかった本当のおじいさんの過去を、おじいさんのことを知っているいろいろな人にインタビューする形で具現化している。
そのときのおじいさんは60年以上前のもちろん20代であり、同じ20代として時代は違えど共感できるところまで落とし込んでいる。
インタビューするたびに、悪くいう人やよく言う人やいろいろな面が見えてくるのは、推理小説のよう。
そしておじいさんに共感するようになると、悲劇になってくる。
また時代もちょうど戦争を体験した人がぎりぎり生きているという、平成になって書かれたというのももう歴史を語ることができる人が亡くなってしまうかもしれないという緊張感を感じる本であった。
著者は構成作家らしく計算し過ぎ!