7月
27
2012

[本]たかが英語!


たかが英語!

  • 三木谷浩史
  • 講談社
  • 1050円

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書評

こなれた文章で論理も一貫しているので、読みやすい本でした。
三木谷さんは文才もお持ちなんですね(まさかゴーストライターではないですよね?)

2年ほど前に、楽天が突然社内言語を英語にするという発表があリました。
ベンチャー企業とはいえ、普通の日本企業の突然の発表で驚きました。また賛否両論を巻き起こして、話題になりました。
「本当に実現できるのか?なぜ日本でビジネスをしているのに英語が必要なのか?」という疑問が上がっていました。
自分の会社でなかったことに安堵していた人もたくさんいました。

三木谷氏はこれらの疑問に対して、本の中でも以下のように答えています。
日本というマーケットの問題

ゴールドマン・サックス・グループ経済調査部が作成した「More Than An Acronym(2007年3月)」だ。
2006年時点で、日本のGDP比率は世界の約12%を占めていた。ところがこのレポートは、2020年に8%、2035年に5%、2050年にはわずか3%に落ち込むと予測していた。
2006年から2050年の間に、世界における日本のGDP比率が4分の1になるというのだ。
 (中略)
GDP比率3%の日本は、もしかしたら鎖国していた江戸時代の日本と同じ程度の存在感しか世界に示せないかもしれない。
楽天は、衰退していく日本の中で、それなりに強いプレーヤーとしての地位に甘んじるのか、それとも真のグローバル企業となるのか。それが、楽天に突きつけられた問いだった。

世界の一企業として考えれば、英語でコミュニケーションを取るのは当たり前のことである

世界一のインターネットサービス企業になる。創業以来、この目標を掲げていた楽天にとって、もちらん答えは一つしかなかった。海外へ打って出て、真のグローバル企業になる。これ以外、僕らの進むべき道はない。
 (中略)
楽天は、海外でのビジネス展開をそれなりに進めていた。しかし、どうも効率が悪いような気がしていた。
 (中略)
楽天の海外進出を実行に移す段階に至ってはじめて、グローバルな経営を実現するには英語によるコミュニケーション能力が不可欠であることを悟ったのだ。

そして、この本ではこの2年間の楽天社内での英語化の取り組みを紹介している。
英語が社内言語にするという社員の戸惑いへの対応。英語が苦手な人への援助。
そして、社員全員、新入社員がTOIECで一定の点数を取り、社内言語が英語であることに対応した。

こうして大きな山を社員全員が乗り越えたことに対して、賛美を送りたいと思う。

ところで、コンピューターの世界はもう随分前から英語が普通になっていたことが書かれている。
楽天のIT部署のトップ6人のうち3人が外国人であり、かなり多くの割合で日本人以外の人が働いているという。

私はWeb関連のプログラマーであるが、そのことを実感している。

英語のメールのやり取りや話したりすることはないものの、毎日のように英語を読んでいる。
優秀な人が日本語でブログを書いてあることもあるけれど、オープンソースや起業が発信している情報も英語が中心で、英語は必要不可欠な情報源である割合が増えている。

参考文献を本に求めれば、技術的に遅い文献しか手に入らない。
日本人初の技術かかなり携わっている分野は日本語の情報が入りやすいが、ググればStackOverFlowやGitHubが普通になってきた。
日本語の情報で求めるのは、文字化けや日本語処理など日本特有のものがほとんどである。

私は本を読みながら、私が最初に就職した外資系コンサルティング会社を思い出していた。
その会社は社員の半分以上がアメリカ人だが、ヨーロッパやアジア、オーストラリア、南アフリカなど世界中に事務所があった。
その会社の社内言語は英語だった。とはいっても、日本人は当時1000人ぐらいだったが、日本人の半分以上は英語が使いこなせるというレベルではなかった。ただし社内言語は英語で会社の上部に上げる書類は英語で、研修も英語で受けた。
日本の特殊事情であるが、国内での仕事は主として日本人相手なので日本語で仕事をしていた。

たぶん世界でも、自国語だけで通じる少い国であると思う。
ヨーロッパもアジアも自国語だけでは市場は狭いので、多言語で特に英語は必須だった。

本の中で、Ruby言語を創ったまつもとゆきひろ氏がいうとおり、日本語だけで済んだ日本は異常だったのだと思う。
それよりも、大学で使う言語が自国語というのは世界でも少い例である。
世界中どこでも、英語のテキストを使い、英語がテクニカルタームであり、英語で議論し、英語で論文を出すのが普通である。

私もそんな日本で生まれ育ったので、人一倍に英語が苦手であったが、会社の研修や世界を旅することで慣れた。
でも英語が苦手であることは未だに克服できないでいる。
三木谷氏がいうように、英語は努力した分だけ報われる技術だと思い、もっと身につけていこう。

英語を書くことは大変だけれど、読むことは慣れてきた。話すや聞くのはまだまだだけど、この仕事に携わっている以上、情報交換は英語でやらざるを得ない。英語といっても、東南アジア・東アジア・南アジア、ヨーロッパの非英語圏の人たちと会話するための、ブロークン・イングリッシュで、Globishというものだ。Basic Englishといってもいい。

これからは誰もが世界の人達と会話をしていくために、Globishは世界言語で必要不可欠になっていくだろう。
楽天が成し遂げたことは今は驚異の目で覽られるかもしれないが、明日は普通のことである。

そして、次はコンピューター言語である。
コンピューターと情報のやりとりをする、コンピューターに仕事をさせるためには、自分の意思を伝える事が必要。そのためのコンピューター言語が次に続くだろう。Globishや自然言語(人間の話す言語)では曖昧すぎるので意思が伝わりにくいからである。

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