- 瀬川久志
- セルバ出版
- 1680円
世の中を数式で表現するというのは、パスカル、ライプニッツなど18世紀頃にいた科学者は取り組もうとしていた。
もともとキリスト教の神様の訓示を解き明かそうというのが大きな目的だった、天才的な科学者はさまざまな分野で一級の学者であったにも関わらず、困難だった。
すべての現象を一言や一つの式で表現するなんて無謀とも言えることだが、一片でもそれができれば大きな進歩である。
物理学でも、電気力と磁気力が20世紀初頭に統一され、さらに重力などをあわせて全ての力を統一した力としてみようとする、統一場理論というのがある。
複雑な社会を物理現象のように単純に置き換えるのは困難であることは承知しているが、それに立ち向かうのは尊敬したいと思う。
電子の波動状態を計算する、シュレディンガー方程式だって、水素ぐらいだったら計算可能であるが、それ以上複雑な(ほとんどじゃないか!)原子の方程式はつくれても、計算は不可能である。物理がそんな状態だから、それより複雑な化学や生物や社会は現象と推測しか本当のところは読み取れないからだ。
著者がこの本で言いたかったことは以下の方程式である。
P = M・(V・T・Sp)^n(n-1)
M = Σ(E, G, S, Tc, W)
P=第3の波の力、V=個性ないし多様性、T=時間、Sp=空間、M=質量、E=環境、G=国際化、S=精神・文化、Tc=テクノロジー、W=経済・労働
n(n-1)のべき乗なのは、n人の人間の相互関係数によるもの
著者がいうように、経済学や社会現象は実験を行うことができない分野であり、人々の現象は法則に囚われない複雑な動きをするので、なかなかまとめ切れないというのは事実だと思う。ただちょっと残念なのは方程式が関係性だけに終わっている点である。
関係性からさらに一歩進んで、実例を2,3上げてパラメータを加えて欲しかった。
国の経済成長率なんて数字を出すのは難しいと思うが、ホーチミン市、ハノイ市、フエ市などそれぞれの周辺の都市を比較して、人口増加率、収入率、失業率、労働時間、、、、などいろいろな数字を入れて、成長率までなくても相関関係ぐらいまで計算できたら良かったのにと思う。
さらに他の東南アジアの国や、日本、中国、韓国、ヨーロッパの国々まで比較できたらいうことなかった。
言うは易く行うは難し。
実際にそこまでやりとげるには、浅学の私には予想もつかない困難があるのかもしれない。
ただ方程式のそんな面に移ることを期待していたのに、本の残りの1/3が東南アジアの旅行記になっていたのは落胆してしまった。
著者の次作に期待したい。
誤字が多く鄧小平を書き間違えていたり、挿絵がJPEGの荒い画像をそのままいれてあったりというのは、編集の力が足りない。
本の1/3がベトナムやマレーシアの旅行記になっているのは本の目的からは逸脱していないだろうか。
個人的には東南アジアへの旅行は好きなので楽しんだが、この地域に詳しい人から見るともっと突っ込んだ内容が欲しいところである。
こんにちは。
アジアの本で、最近これ、いいなと思ったのは
「金なし、コネなし、フィリピン暮らし」という本ですね。
二人ともなかなかフィリピンに行かないので昨今の
様子とかリタイアメントの指針を立てるのに現在の
フィリピンの情報を更新するのに役立ちました。
@もーし
お久しぶりです。
いい本みたいですね。買おうかな。
子どもが大きくなるとフィリピンへ帰るのも大変ですね。
最近はおいや姪たちとFacebook友達になっているので、彼らが頻繁に写真をアップするので身近に感じることができるようになりました。
今年も暑くなりそうなので、お身体をお大事に。