8月
22
2011

[本]ソロスは警告する

原題は、
The New Paradigm for Financial Markets
The Credit Crisis of 2008 and What It Means.

要点を纏めてみる。

・社会科学は自然科学と異なる
・自然科学は自然法則だけに基づけば予測可能だが、社会科学は複数の人が関わるので予測不能。
 (つまり自然科学は神一人だけの法則だが、社会は神に複数の当事者が関わるから)
・予測不能な理由は「再帰性」というのに基づく。
・経済的予測を政府を含めディーラーは行っているが、みんなが予測可能だと思っている。しかし不可能。
・株や商品の動きは、そのものの価値に収斂するというように思っているが、「再帰性」が働くとカオス的な動きを示すことがある

「再帰性」という日本語のもとになる英語は2つある。induction と recursive。

ソロスさんは前者の数学的帰納法 Mathematical Inductionに基づいて言っているようだ。日本語になった時点でちょっと怪しい気がするが、物理学でいう複雑系のことなのではないだろうか。

たぶん高安さん夫婦が研究している経済複雑系に似ているのだと思う。
(実は高安さん夫婦とは大学の時いっしょにフラクタル研究会でご一緒させていただいた)

複雑系というのは、現在の計算しても予測不可能なことだ。
主因子一つ一つは単純な動きとしても、複数の因子で複雑になってしまう。動きが収束することもあれば、振動したり、拡散したり、またはカオスのように予測不可能な動きになってしまうことがある。

その中でも、できることからコンピューターシミュレーションで予測を試みるということだ。

ただ私は単純な法則ならまだしも、複雑な方程式で予測を立てることが間違っていると思う。
複雑な方程式は、単純な法則の組み合わさったものに過ぎないからだ。

神は世界を複雑な形につくらない。寄り集まって複雑に見えるにすぎない。

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