1月
16
2011

[本]国際結婚一年生

国際結婚16年目であるけれど、「国際結婚一年生」という本を読ませていただきました。


国際結婚一年生

  • 塚越悦子
  • 主婦の友社
  • 1260円

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書評

結婚16年目なので今さらこんな本を読んでも学ぶことはないだろうと、上から目線で読んでみましたが、
いやー、よくまとまって書かれています。

国際結婚をする上での、今後出てくるであろう問題点や課題、その対処例などがきちんと分類されて書かれています。禁句とされるような離婚のことまで触れています。国際結婚に関わる様々なことに触れていますから、事典として使うこともできそうです。

16年前に国際結婚をしたときには、国際結婚に関してまとまった情報がありませんでした。体験談の本はあったかもしれませんが、体系だった本の方が多角的に捉えることができてよいと思います。

妻の国(フィリピン)にある日本国大使館、法務省の入国管理局、そして行政書士の方ぐらいが情報を握っているだけで、参考にする本のようなものはなく、国際結婚した先輩方からの経験談が本になったものが数冊しかなかったのです。

そのときは、全くの手探りで問題にあたるしかなかったのです。問題が個人間の問題なのか、文化に基づいたものなのか?普通の日本人どおしの夫婦でも起きる問題なのか、2人で話し合わないとわかりませんでした。常識だと思っていることが、食い違うことがあるのですから。

本の中では、宗教、親族、文化、政治的考え、言語など、日本人どおしでも違いを感じること、想定していた以上に違いを感じることがあると書かれていました。

結婚する2人はお互いに認め合っているからいいのですが、お互いの両親や親族やそれらを取り巻く環境は変わることはありません。キリスト教徒以外は野蛮人にさせられてしまったり、言葉が通じないことだけで能力がないと思われてしまいます。

本を読んでいて、新しい発見がありました。言葉の問題でした。私は仕事がら英語が必要だったのでいろいろな機会で学んでいました。とはいえ、語学は苦手だったので辛うじて日常生活ができるぐらいです。

でも電話でタクシーを呼んだりするのは苦労しました。相手が早口でよくわからないのです。妻も日本に来て15年経ちますが、家族とは日本語が通じても他の人とは必ずしも通じるわけではありません。

妻の日本語が私以外に通じないわけは、、、私が妻の言っていることを汲み取ろうとしているからだ。
そして私の英語が妻以外はあまり通じないわけは、、、、積極的に私の英語を理解しようという気持ちがないからだ。

ということはなんとなくわかっていましたが、それが明確に書かれてあり少しショックでした。

もし国際結婚なさる方がいらっしゃいましたら、とりあえずこの1冊を辞典代わりに読むことをお勧めします。
私も手元に持ち続けようと思います。

人が人を好きになることに理由はありません。かわいいな、素敵だなと思って、恋をして一緒になりたい。人として生まれたら、自然なことです。たまたま相手が日本人ではなかったこと。
外国人である前に、人間として好きになったんです。

日本人にない魅力もありました。日本人以上に大変だと思うこともありました。国や文化の差よりも、個人差が大きいから、なんとかなるだろうという甘い予想もありました。

でも結婚生活は、甘いムードを壊すほどいろいろな事実を突きつけます。お金のこと、お互いの実家のこと、ビザや差別のこと、言葉の問題など。

日本人どおしの結婚のことはわかりませんが、男女間以上の大変な問題のビザや言葉の問題や生活習慣の問題があったので、それを乗り越えてきたというのが、絆を強くできたのかもしれません。

そもそも国際結婚って、なんでしょう?
私は結婚するまで、よく海外に仕事や旅行で出かけていました。
外国の人には偏見もないし、英語ならばある程度の会話ができます。
ただ外国のことを多少知っていても、人を好きになって結婚するなんて夢にも思っていませんでした。違いがわかっていただけに、一緒に生活していくのは大変なことになるだろうと思っていました。

ほんとにひょんなことからなんです。男女は求めあうものですから、海外によく行っていたので今となれば自然なことかもしれませんけれど。

この本で唯一残念なことは、結婚申請の大変さには触れていないことです。
配偶者がアジア出身の場合は、偽装結婚が多いので、本当に結婚する人にはビザを申請し受理するまでが大変だったのです。
また日本ほどきちんと分野が整っていないので、名前や日付が間違っていたり、日本では想像できないことがおきます。それを日本の役所が本物と認めてもらうためには、現地で裁判を起こして書類を書き換えてもらうということもあります。

現に妻の母の出生証明書がなかったり、妻の大学の卒業証書と妻の出生証明書の名前のスペルがちがいます。きちんと文書が整っている方が偽造なのではないかと思うほどです。証明書に領収書を添付しないと認めてくれないほど、偽造が出回っているという事情もありました。

書類を出しては断られ、再度出しても断られ、そんな状態で何度も手続きし直すということしかなかったのです。これも偽造を防ぐために、断る理由も教えてくれませんでした。

配偶者が欧米出身でしたら、偽装結婚もないでしょうし、そんな基本的なミスもないでしょう。

Written by in: 家族, |

2 Comments »

  • 塚越悦子 より:

    著者です。
    率直な感想をお書きいただき、本当にありがとうございました!
    ご指摘の点、ごもっともです。今回の本ではどうしても例が北米に偏っている点は否めなく、手続きについても「大変なのでよく確認するように」という点で終始してしまいました。
    日本に在住の国際結婚カップルも増えてくると思われますが、お書きいただいた点の困難を知る方はまだまだ少ないと思われます。今後もこのテーマに関わっていくつもりですので、折に触れご紹介させていただきたいと思います。
    お読みいただき、ありがとうございました。

    • ohashi より:

      塚越さま
      著者の方からコメントをいただきまして、感激です。
      拙い書評ですが、読んでいただきましてありがとうございます。

      本にも書かれていましたが、「文化の違いを楽しむこと」が大切なんではないかと思います。
      中国や東南アジアでは、偽装結婚が多く、普通に結婚することが難しくなっています。とはいえ、結婚って玉の輿という言葉もあるとおり、お金の絡んだことも結婚に含まれます。では結婚ってなんだろうとつい考えてしまいます。

      私と妻の共通言語も、お互いの母国語ではなかった英語でした。子どもが日本語だけで育っておりまして、「お宅はバイリンガルで育てなかったの?」とよく言われるのですが、バイリンガルが簡単ではないということで救われた気持ちです。

      結婚数年目からの子育ても大きな問題です。子どもをインターナショナルスクールへ入れるべきか、普通の学校へ入れるか、日本以外でしたら日本の学校へ入れるか。経済的な問題も通学の悩みも、将来の悩みもあるでしょう。また子ども自身も、他の子どもから「外人」と言われたり、アイデンティで悩んだりしています。
      次著のテーマに加えていただくと嬉しく存じます。

      よい著作をいただきましてありがとうございました。


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