営業と詐欺のあいだ (幻冬舎新書) | |
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坂口 孝則
おすすめ平均 |
以下のことや、長い間疑問に思っていたことがいくつか解消できたので、この本を読んでよかったと思う。
セールスマンがお客さんに商品を薦めるときは、商品の特徴や性質について詳しく説明をしない。
以下の3点を述べるだけである。
1. メリット・・・この商品を買えば、あなたは幸せになります
2. 信頼・・・たくさんある商品の中で、この商品こそがあなたの求めているものです
3. 価格 ・・・ あなたは適正な価格で買おうとしています
ようは、お客さんが商品を検討するべき3点の判断材料を与え、それをお客さんの立場にたって親切にサポートしているのである。実際に、商品の詳しい特徴や、ほかの商品との差や、長所・短所などの判断は難しく、どうしても2の次になってしまう。
確かに、自分が詳しいものは商品の特徴を比較することができるが、そうでない場合はこんなものかもしれない。
たとえば、アイスクリームを買うとする。
1. おいしい、今までにない味だ
2. このメーカーならば変な不純物は入っていないし、賞味期限も大丈夫だろう
3. 他の見せて比べて同じか安い。
他のアイスクリームと比べて、コストパフォーマンスがいいかとか、どちらが品質がいいかとか、1~3と比較するとあまり関係ないかも。
そもそも、セールスマンが嫌いである。
だけど、顧客との接点は営業である。
顧客との信頼形成ができるかどうかで、営業や仕事は決まる。
営業は嫌いなので、どうすれば営業をせずにすむのかをずっと考えてきた。営業にとられる時間を開発や他のことに避けないかと。インターネットショッピングのおかげでかつての対人の営業は少なくなった。営業にかけるコストを商品価格や他に転嫁できて、競争できるからである。
しかし、人は知識や能力に限りがあるので、誰か信頼できる人に判断を仰ぐ。
それが営業に来た人に託してしまう。
そこに詐欺的な商法や、宗教を介在させてしまうのは、人間の性というべきだろうか。
また紐とって読んでみると新しい発見がありそうだ。