AmazonやGoogleで構築している、コンピュータークラウドはこれから潮流であることは間違いないのに、日本では無理なのかな。
コンピュータークラウドというのは、コンピューターを仮想化する技術。
1台のコンピューターには1つのシステムしか載っていないというのが普通だけれど、最近は1台の物理的なコンピューターに仮想的なコンピューターが複数台載る。そして複数台の物理的なコンピューターm台に、仮想的なコンピューターがn台載る。
ハードウェアとしては故障がない限りずっと動いていて、その上に仮想的なコンピューターが起動したり終了したりしている。計算するのに必要だからとか、たくさんの処理をしなくちゃいけないから100台いっせいに動かそうとか。
Webの世界では、ピーク時とピークでないときに100倍や場合によっては1万倍ぐらいの仕事量の差があることもある。それでピーク時のときにあわせて設計していたら、ピークでないときは無駄になっちゃうんだよね。
人間の世界でも同じなんだけれど。
それで必要なときだけお金を払おうというのが、コンピュータークラウド。
とりあえず初期コストを押させておいて、ランニングコストも売り上げに応じてやピーク時にあわせてということも容易にできるよね。サーバーのハードやソフトを買うときに大手企業は、数千万から数億円かかるけれど、それも要らない。本当に必要な資源だけを買えばいい。
またWebの世界や人が活動している時間は世界中でずれがあるから、アメリカとヨーロッパと日本で同じコンピューター資源をシェアすれば、あまり使わない状態というのも減らせる。
アメリカでは水力発電所で作り出す電力が、遠くまで運んでロスするよりもコンピューターセンターで使えば有効活用できるということで、安く電力を手に入れることも可能。
完全に仮想化していれば、いまこの計算をしているコンピューターやデータの入っているサーバーが、アメリカのサンフランシスコにあるのか、東京にあるのか、パリにあるのか、ニューヨークにあるのか、どこにあるのかわからない状態でなおかつバックアップを複数とっている。例え、東京にテポドンが打ち込まれたとしても、ニューヨークにデータがあればそれで継続可能である。
コンピューターを置く場所も世界で一番安く、一番安心できそうなところに置けばいい。
コンピューターが世界中どこでもいいんだったら、人もどこでもいいんだ。英語ができればフィリピンやインドで安くて優秀な人が調達できるしね。英語ができる人をちょっと高く雇えば全体としては安くなる。
コンピューターだけでなく、人も同じ。産婦人科医や小児科医が少なければインドやフィリピンではだめ?(言葉の問題も遠い将来は解決していく)
そういう世界がIT業界では一歩早く到来している。それは資格や既得権がなく、扱うものが実体のないデータなので世界どこでも移動できるという点で世界市場に巻き込まれている。それは金融市場も同じなんだけれど。
それで話は戻るけれど、コンピュータークラウドって日本では無理なのかなぁ?
技術的にはオープンソースも増えてきて構築はできつつあるのだろうが、その技術の下積みになった研究や経験の蓄積が少ない気がする。もともとはIBMのワトソン研究所で生まれメインフレームで使われている技術が、オープンソースの世界に降りてきている。
- 複数台のマシンを仮想的に扱う技術
- 単一稼動で、仮想処理で速度を落とさないようにする
- 複数稼動で、CPUタイムやメモリーなどを有効活用する
- リアルタイムで起動、終了などを容易に実現する
- 複数台のマシンを管理運用する技術
- リアルタイムに、負荷に応じてインスタンスを減らしたり増やしたりする
- 当初から、負荷分散や障害のための複数のアプリケーションサーバー、複数のデータベースサーバーなどを設計
- 実際は設計しなくても、クラウドシステムが自動的に対応してくれているのが望ましい
- インスタンスの複数起動やサーバー間の移動を管理する
- ときにはローカルネットから、インターネット外に(VPNで?)
- リアルタイムに、負荷に応じてインスタンスを減らしたり増やしたりする
- トラブル対応
- ハードディスクの故障に伴う、通知、自動切替
- ハードの故障に伴う、通知、自動切換
- ネットワーク回線故障に伴う、通知、自動切換
この面では素人なのであんまり書くと化けの皮がはがれてしまうのでこの辺にとどめておく。
?
?日本ではこの技術に関して、自由な発想と意気込みがあまり感じられない。はてなやK-Labがベンチャー企業で小規模にやっている気がして、AmazonやGoogleのように大企業には届かない気がする。IBMのような大企業もクラウドを考えているけれど、メインフレーム技術に基づいたものでなんとなく覇気が感じられない。
もし日本でやるとしたら、べただけど 蔵人(くろうど) なんて名前をつけるのはどうかな。
自由な発想で考えるならコンピューターに限らず
カーシェアリングとかも似たようなもんですよね。
分散化が可能なら例えばホテルの稼働率だって
週末に集中せずにもっとリーズナブルな価格で
提供できそうですよねぇ。
もーしさん、コメントをありがとうございます。
ポイントは、ハードは変えられないから、ソフトでどれだけ臨機応変に対応するかでしょうか。
そうですね。カーシェアリングも同じですね。
終日はビジネスで車を使う人がいれば、週末は家族が使うとか。
週末でも車は使わないときがありますもの。
ドイツは夏休みが1ヶ月から2ヶ月と長いけれど、州や町によってずらしていると聞いたことがあります。日本のお盆や年末年始だって、ずらしてもいいのにねぇ。