1月
24
2009

派遣とマニュアル

前の会社を辞めたのは4年前だった。
独立しようと思っていたので準備の間、失業手当をどうせならもらっておこうと思った。会社の取締役だったけれど、社員に近かったから、失業保険に入れたのであろうか。

自己都合退職という形だったので、3ヶ月待って、失業保険の申請。
特に詳しいことはきかれないが、毎月少なくとも2件の会社面接をしなくてはいけない。自分で探してもいいし、職安のパソコンを使った求人票を通してもいい。

もう4年前であるが驚いたのは、派遣会社が多いこと。
求人件数は200件ぐらいあるのだが、そのうち90件は派遣会社経由だった。
しかも派遣会社は、顧客が要望している職種をそのまま載せている。その職種を紹介している派遣会社が少なくとも3社、4社あることがざらだった。

だから実際には、求人件数は50件ほどではないかと思った。
実際の求人は統計で言われているよりもずっと少ないと思う。

派遣会社ではない、中小規模のソフトウェア開発会社の求人もあった。
しかし、実態は受託派遣というもので、派遣になる。

それが4年前の状況で、今は派遣が盛んになったから、さらに拍車をかけているだろうと思う。

これはシステム開発をする上で、セキュリティの問題で依頼企業の中でやってほしいという要望があったり、直接席を並べてやったほうがやりやすいという需要のせいでもある。

それでIT関連では、受託開発でありながら実際は派遣ということもある。主導権がお客さんにあるか会社にあるかという違いなのだが、下にいる人にとっては上司が変わっただけという認識しければ、どちらでも変わらない。

派遣が悪いとかいいとかというのは市場が決めることだと私は思っている。
私は派遣を法律で規制するとかいうのは反対だ。法律で規制していいことは、反社会的なことで、市場を法律で捻じ曲げると失敗することが多い気がする。

派遣ということがこれだけ問題となるのは、画一した人間の性質である。
仕事として個性のない人だけを作ってきた、日本の教育方針がそもそも会社に単一的な若者を送り込んできた。本来は正社員として工場労働に従事するように教育してきたが、会社の仕事がマニュアル化してきたことによって、派遣社員でも短期間の教育で成り立つようになってきた。

問題は、派遣社員問題に終わらず、次は正社員にいき、最後は中心となる人以外はいらないという会社になる。どの会社も、企画や製品開発や営業など中心となる人以外は、全部ロボットであればいいと思うだろう。

どうしてもロボットでできない部分は、お金を払って人間にお願いせざるをえないというところが実情なんだと思う。あるいはロボットよりも人間の方が安くつく場合だ。

マニュアル化されているだけの仕事は、人の交換が楽にできるので労働市場における人の需給関係に支配される。労働者が少ないときは賃金が高くなり、多いときは賃金が低くなる。現在は後者なので賃金が低くならざるをえない。

職場の中には、そのマニュアル化だけでなく職場(お店や上司)の個性や人間の個性が味付けされて魅力的なものにするべきものもあれば、そういう味付けが必要のないものもある。

マクドナルドなどのファーストフードが後者の代表であり、マニュアル化されにくい情報や人間関係がありそれが有利に働いていれば前者となる。ただ職場の中で自分しかできない仕事をつくるようなマイナスの状況を作れば、それは逆向きに働き、やがては排除される方向になるだろう。職場を活性化するしくみや利益をあげるようなことをマニュアル外でできれば、プラスに働く。

それが良かれと思えば、他の部署へ伝えてマニュアルを変えていけばいい。
マニュアルは最低限知っておくべきことであり、またそれを状況に合わせて変えていくこと。もっといいのはマニュアルが血や肉となって、当たり前のようになること。序破離の考え方である。

機械が産業革命を興して、社会全体が暮らしやすくなった。ロボットもそれに拍車をかけている。

だから、派遣問題は起こるべくして起きたものであり、マニュアル化されたものを身につけるのではなく、マニュアルを作る側に回らなければ問題は解決されない。

言われたことをやるだけの人に高い給料を払うのはばかげている。
お金をつくりだす人には、相応のお金を支払うだろう。

Written by in: 楽天日記 |

コメントはまだありません »


コメント&トラックバック




トラックバック URL

コメントのRSS feed