6月
12
2008

【本】成功はゴミ箱の中に

書名: 成功はゴミ箱の中に
著者: レー・A.クロック /ロバート・アンダーソン
出版社: プレジデント社
値段: 1,429+税
ISBN:9784833418454

著者のレイ・クロックは、マクドナルドの創業者である。この本は彼の自伝であるが、マクドナルドというフランチャイズシステムを構築して、それを一大帝国に築き上げた方法を余すところなく述べている。

自伝小説というよりも、映画を見ているような感じで非常にわくわくした。著者の挑戦的な生き方が素材にあり、それを共著のライターが読み物としてうまく脚色させているんだなと驚いた。小説としても飽きさせずおもしろいが、あとでふと我に返るとアメリカンドリームの典型的な例であるので話の先が読めてしまうので映画にはなりづらいのかもしれない。

ただ、巻末でソフトバンクの孫さんやユニクロの柳井さんの対談や柳井さんの書評が入っていて、ときおり日本マクドナルド創業した藤田田さんの話があって、非常に興味深かった。藤田田さんの、「ユダヤ商法」の本は絶版であるが、図書館で探して読んでみたいと思う。

 

マクドナルドというのは、

清潔で一定の品質の食品を即座に提供するファーストフード産業であり、

一等地に展開してその土地や借地権、賃貸権を持つ不動産業でもあり、

研ぎ澄まされた経営科学的なフランチャイズビジネス産業である。

それぞれの要素でトップレベルを走っており、他のファーストフード産業を寄せ付けない。その理由はなんであるかと本を読みながら考えてみた。結局、基本を忠実に、お客さま本位であり、「待たせない、清潔であり、わかりやすい商品を、安く提供する」という経営理念なのかなと思う。開業当時の1950年代はそのような競合がなかったと思うので、新しい事業を創り出したということなんだろう。

 

 「パートナーのように扱う一方で、商品を売り、利益を追求するのは相反する行為だと私は考える。サプライヤーになってしまえば、自分の利益の方が心配 で、向こうのビジネスの状態は二の次になってしまうだろう。自分の収益を上げるために、商品の品質を下げることも考えるかもしれない。そうなれば、フラン チャイズは損害を蒙り、長い目で見れば、その損害は自分たちにも返ってくる結果となる。」

またマクドナルドの店の権利を買って行うフランチャイズも、一定の権利料を払うけれども材料は共同で提携工場から買うと聞いて驚いた。マクドナルド本社が材料を買ってそれをフランチャイズオーナーに卸すと、本社とフランチャイズオーナーが値段で争うからだそうである。2者の関係は争うことでなく、同じ方向に目が向いている。

 つまり、マクドナルドがこれだけ大きくなったのは、自己資本をあまり持たなくてもフランチャイズオーナーが資本を提供するという仕組みで、急激に店の数を増やしたからという、当り前のことなのかな。また商品とサービスの説明が簡単で、それがフランチャイズをしやすくして、広告宣伝もより効果的になる。なんか経営学の1ページのような話だ(でも日本ではフランチャイズ店は少ないらしい出典[http://mawashimono.com/mc/zatu.html#8])。

 さて、今もマクドナルドがそういった利益システムになっているかどうかわからないが、多くのフランチャイズシステムは本社が儲かりフランチャイズオーナーはあまり儲からない例が多い。セブンイレブンもフランチャイズオーナーは店舗数に制限があるそうだ。

マクドナルドもビジネスのやり方は本社が決めて制限があるので、フランチャイズオーナーが取れる道は、マニュアルの方法をいかにうまくやるかであろう。そうすると店舗数を増やしていくことしか、利益を大きくする方法はないのではないだろうか?

このあたりフランチャイズシステムについて浅学なので、これ以上は今は語らないようにする。この本に登場する人物は尊敬するのだけれど、何か大事なことが語られていない気がしたからちょっと触れてみた。

とはいえ、起業家として良い言葉があったので、抜き出してみた。

「幸せを手に入れるためには失敗やリスクを超えていかなければならない。床の上に置かれたロープの上を渡っても、それでは決して得られない。リスクのないところには成功はなく、したがって幸福もないのだ。我々が進歩するためには個人でもチームでも、パイオニア精神で前進するしかない。企業システムの中にあるリスクを取らなければならない。これが経済的自由への唯一の道だ。ほかに道はない。」

 

「その契約のため会社が損をしたかどうかは関係ない。会社にとって正しいことをしたまでだ。」

 

これをコンピュータービジネスに活かせと言われても、そのまま直にはできないが、どうすればいいんだろう。

 

Written by in: 楽天日記 |

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