著者: 紀藤正樹
出版社: サイゾー
このところ、インターネットの闇が中高生にも広がっている。たいていのことはWebニュースでつかんでいるけれど、子どもがインターネットに毎日アクセスして、最近は携帯を使い始めたので気になって読んでみた。
この本は2004年出版で、4年前になる。インターネットの話題で4年前というのは大昔の部類になるけれど、こうした問題はいまでも根本的に解決されず先送りになっているということがわかる。最近問題となっている、裏サイトやプロフという話題はないけれど、4年経ってもデータ流出やネット詐欺はなんら解決されていない。
インターネットによって、手に入れにくい情報がすぐに入るようになった。知らない人や遠くの人と出会うチャンスが増えた。いままで距離を感じていたものが、一気になくなった。
物理的にもコスト的にも他の人とかかわるのは、これまで大変なことだった。
郵便だったり、電話だったり、相手の一覧だったり、それにコストがかかっていた。それが出会い系サイトやSNSや巨大掲示板などにより、簡単に出会うことができて、情報のやりとりができるというメリットが出てきた。
しかし、物事には良い面と悪い面が同時に起きる。
チャンスが増えたが、悪意のチャンスも増える。
個人情報をとることも容易になり、情報を盗んだり改竄したりする機会が増える。インターネットは法律の届かない海外にもつながっている。国籍や法律は関係なくなる。未成年は法律によって守られていたが、法律が行使される前に起こる。
国会では未成年を保護するために、 情報を遮断するといっているがそれでは問題の根本的な解決にならないと思う。「世の中が変って、どうやって対応して生きていくのか」を学習していくべきだと思う。
日本人は、「まず人を信じる。そして付き合っていく中で、こいつとは距離を置いた方がいいと考える。」という人を信じることから入る。
大陸では、「まず人を疑う。付き合っていく中で、この人とは少しずつ信じることができるようになっていった。」と捉える。人を疑ってから、それからだんだんと信じるようになっていく。
インターネットには、国境はなく、法律も適用されないか後追いになってしまう。
そのとき世界中の人と、有象無象の中でいっしょくたにある以上、私たちは自分で身を守っていかなくてはいけない。そして自分の力でインターネットという便利なものを積極的に活用して行く方がよいと思う。
私の家ではインターネットにフィルターはないし、携帯も与えている。さてどうなるかな。