- 中田 亨
- 化学同人
- 1680円
本を読んでいると、頭のいい人だなと感じる。
「失敗学のすすめ」という本を前にブログで紹介した。畑山氏は、人間は失敗をする。その失敗から学び、大きな失敗をしないようにすることこそ肝心だ。その失敗について学ぼうということである。
この本は、人間の心理や行動に焦点を当て「どうして人間は失敗するか」について掘り下げている。ヒューマンエラーとは、人間が間違いを侵すことである。きちんとルールを立てていても、忘れてしまったり、他のことを考えていて単純な過ちを侵す。それは避けられないことである。逆にどうすれば、その過ちを侵すのを最低限にできるかというのが、この本で述べられている。
ヒューマンエラーが起きてから次のことが大切である。
- まず事故が原因を知り、大元の問題は何かを探ること。
これは簡単なようでいて一番難しい。 - 次に誰が解決するか?縦割り社会では縄張りもある。現場が解決すればいいと言っているだけでは当面の問題は解決できても、組織上やスケジュールの無理がある場合は本当の解決できないかもしれない。
- 小さなミスに気づくこと。小さなミスは大きな事故の予兆であるかもしれない。
- 誰が責任をとるのか
もっといいのは事故が起きる前に気をつけること。前もって気をつけるべきことが書かれていたりする。さらに実際の事故の事例について掘り下げて、どうすればよかったかということも述べている。
本の内容からは逸脱するが、周りにコンピューターでコントロールされたものがありふれてきた。ほとんどの電化製品や自動車など、たくさんのチップがついている。
それぞれのチップは、忠実にルールに沿って行動する。一つ一つのチップについていえば、おそらく人間がコントロールするよりいいだろう。エレベーター事故についていっても、人間がエレベーターを上下させて、ドアを開けたり閉めたりするよりも、チップでコントロールしたほうが効率的で間違いが少ないと思う。
しかし、センサーの異常や電気系統の故障、プログラムミスなどで間違いを侵す確率は0ではない。コンピューターを過信すると、間違いが重なったときに事故が起きたときは大惨事になる可能性が高い。
その大惨事に起こす前に、本書で言っているようにコンピューターの小さなミスを気づくことができれば、大惨事が軽減できるかもしれない。