2月
21
2008

競争に克つこと

孫子の兵法に「戦わずして勝つ」という言葉がある。

戦いに勝つ一番の方法は、戦わないという逆説的な言葉である。戦うことはお金や資源を浪費して戦うので戦わないのが一番。しかし戦う状況になるのは避けられないこともあり、そのときは戦略を練って戦うしかない。

2000年以上前の戦略論が今でも通用するところがあるのは不思議なことだが、人間や社会はさほど変わっていないかもしれない。

しかし、状況は複雑になっているし、科学技術も発達している。
そして当時は未開発の土地が多く、戦うときも相手を根絶やしにしてしまうこともできた。

今では、相手を殺したり、すべての財産を奪ったりすることは、できない世の中かもしれない。それが最後に行われたのは、イギリス・アメリカの帝国主義の時代が最後であったともいえる。

経済戦争についていえば、多国籍企業が闊歩した1970年代が最後かもしれない。そしてアメリカ・ソ連の覇権の時代は終わり、後進国も先進国に追いつきつつある。

やがて、世界中どこも未開発の場所はなくなり、世界中が都市や農村がまだらに存在する状況になるかもしれない。 

 

そのときに、「勝つ」という意味がどれだけあるのだろうか?
自分の意思を殺して、人に競争に勝って豊かになりたい、人を自分の足元に躓かせたいとい。いまは自分が経済的に困難な状況で、おいしいものが食べたい、大きな家が欲しい、素敵な車が買いたい、休みをとって旅行がしたいという要求を満たすために生きている。

「勝つ」とはいわず「克つ」という表現をすればそれを乗り越えられるかもしれない。

イチローや多くの天才に勝とうと思っても無駄かもしれない。
彼らは競争をしていない。自分を克服すること、己に克つということだけを意識しているから。そこには終わりはない。いつまで経っても、己に克つことはできないから。

争いをしていてもしょうがない。その上の次元に到達すれば、その下にいる争いに巻き込まれる必要すらない。 ちょうど猿が食べ物を争っているのを、せせら笑っている人間のように。人間の争いをあざ笑う次元があるのかもしれない。

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