書名: ハッカーと画家
著者: Paul Graham
出版: オーム社/開発局
値段: 2400円+税
ISBN4-275-06597-9
前から噂に聞いていたこの本、読んでみてよかった。
どこかのブログに「この本を読んで『自分のことが書いてある』と思い本を
携えてどこかのITベンチャーに飛び込んだ」と買いてあったな。
その人とは違うけれど、たぶん私も同類なんだなと思う。
このブログを読んでくださっている人の中にも同じような気持ちを抱いてい
る人がいる。
第一章に著者の10代のことが書いてある。
著者はアメリカでいじめられっ子だったと。それは中学・高校生の友人が関
心を持つ、ファッションや異性のことはあまり関心がなく、世の中のことに
関心を持っていた。アメリカの高校はドラマでみると、男はアメフトかバス
ケットボールの花形選手かチアリーダーがリーダーグループを組み、その次
に普通の人。末端にはできの悪い人のグループ。そのできの悪いグループの
すぐ上に、日本でいう「オタク」グループとなる。
交流はグループ間だけで、グループ間での交流はない。上位のグループが下
位のグループを苛めるだけ。つまり「オタク」グループは普通の人たちから
苛めにあう。著者も例外なく苛めにあっていたそうだ。
ただここの「オタク」というグループは、中学・高校生活そのものが現実と
は違うことがわかっていて、その場での生活がばかばかしく思っている。
「オタク」という言い方は日本的な言い方なんだけれど、その中にはもっと
世の中を探求したいというハッカーが含まれている。ハッカーという言葉は
マスコミが悪い表現にしてしまったんだけれど、大学の研究者のほとんどは
モノゴトにこだわり探求しているという意味でハッカーである。また生きて
いる上でいろいろ障害となりうるものをどうにかして、自由になりたいと思
う人もハッカーなんだと思う。
たまたま今の時代はコンピューターというものがあり、今まで人の手でやら
なくてはいけない面倒なことを自動でやるようなものが出てきた。それを自
動化して自由になろうというのは、ハッカーが興味を持つのは当たり前だ。
ITベンチャーを始めようとする人にはお勧めの本である。
(このところ忙しくて、まだ前半しか読んでいない)