3月
18
2007

「それ、おもしろいね」

「それ、おもしろいね」

といわれるのが一番うれしい。何か新しい発想が生まれたときや、その発想
をもとにしたプログラムを作ったとき、人から言われることである。

「賢いね。」
「頭いいね。」
「すごいね。」
「やるじゃん。」
というような賛美の言葉を言われるよりも、単純に「おもしろいね」と言わ
れたときが一番うれしい。

自分だけを褒められるのは煙たいが、一緒に「おもしろい」と共感しても
らった方がずっと幸せなんだ。

「おもしろい」という言葉は英語では、intereting, ロシア語ではインチェ
レスヌイという。ドイツ語、フランス語でもinteressantのように語源は同
じだ。
(参考)
http://dictionary.reference.com/browse/interesting

今日、未踏において来週のプレゼンで何を話そうか考えていた。そのとき知
人が事務所に訪ねて来てくれた。お互いに作っているもの、何か気づいたこ
とを話した。それらが自然とブレインストーミングとなる。考えが発火し
て、別の考えに発火する。そして新しいアイディアを生み出す。

あー、この瞬間だ。

「おもしろい」

自分が追っているもの、なぜ起業をしたかといえば、原点はこの言葉がふと
出てくるような場が欲しかった気がする。何かを作ろうとするとき、小さな
プログラムをこしらえたとき、「それ、おもしろいね」という言葉をかけて
もらいたい。お互いに言ったり言われたりする。

そう言ってもらったときが一番の幸せを感じる。

あー、認めてもらったんだ。一緒におもしろいと感じる人がいるんだ。

この「おもしろい」というのはプログラム作りに限らない。何かモダンアー
トを表現したとき、音楽の旋律に新しい工夫を生み出したとき、ふと絵を見
たとき、ちらと訪れた景色、コーヒーに浮かぶミルクの渦、いつもと違う
ちょっとした気づき。それに気づいたとき、「おもしろいね」と思う。

私はそれを感じるとき、自分が生きていると実感する。

お金でもないし、美しい女性でもない、安心した人生でもない、何かハっと
するもの。その一瞬を感じるときが、命を感じる。

それを感じることができないなら、自分は死んだも同然。

そう、知人がそれに気づかせてくれた。ありがとう。

もう長いこと、どんなビジネスをやるか、どうやってお金を稼いでいくかと
いう近視眼的なことしか考えていなかったように思う。何をやるかというよ
りも、どうやるかが大事だ。何をやるかという答えはすでにある。それをど
うやってやるかということが今は大切。

何のために起業したかといえば、そう「おもしろい」ことへの追求だ。
「おもしろい」ことが一番生命エネルギーを生み出してくれる、生命エネル
ギーが燃えていればなんとかなるだろう。そう思いたい。

これまでの経験では、「楽しい」職場はあっても「おもしろい」職場はあま
りなかった。どうやれば「おもしろい」職場ができるのか?はてな、カヤッ
ク、ウノウ、サイボウズラボらがソフトウェア開発では挙げられる。ただ
「楽しい」職場は、決まった仕事をすることはあっても何か新しいものを生
み出すことはなかった。逆に新しいものは必要とされないんだろう。

そういう「おもしろい」という場がなければ、創造的な仕事は生まれにく
い。それをエキストリームプログラミングやアジャイル開発手法とかいうけ
れども、視点が違う。

創発(emergence)。

局所的な相互作用を持つ、もしくは自律的な要素が多数集まることによっ
て、その総和とは質的に異なる高度で複雑な秩序やシステムが生じる現象の
こと。所与の条件からの予測や意図、計画を超えた構造変化や創造が誘発さ
れるという意味で「創発」と呼ばれる。

 もともとは生物学や物理学(複雑系)、社会学などで使われている言葉
で、「物質の凍結(相転移現象)」「アリが巣を作る(群知能)」「細胞の
集まりが生物であること(生命現象)」「新種生物の突然の発生(進化
論)」「市場におけるバブルの発生(経済学)」のような“要素に還元でき
ない現象”のことをいう。

 ナレッジマネジメントの分野では、個人1人1人の発想の総和を超えた、
まったく新しいナレッジの創造を行う手段として、「情報創発」への取り組
みが行われている。
(http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/emergence.html)

まさにそんな場が必要だ。

ではそういった場が、ビジネス的に成立するかどうかはまだわからない。
その場で生み出したものは、顧客や金とは縁遠いところにあり、なかなか利
益を生み出すことはできない。ただコンピューターサイエンスは、発想、技
術、ビジネスがとても接近しているので、まったくそれが不可能というわけ
でもない。

GoogleやYouTube、はてな、というような成功例がそれを物語っている。

私自身はビジネスの成功(お金儲けや事業としての成功)よりも、そういう
場を作ってその場に身を置くという方が優先度が高い。それは果たして間
違っているのだろうか?

Written by in: 楽天日記 |

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