10月
13
2006

オープンソースの文化から思想へ

オープンソースというのは簡単にいうと、ソフトウェアを無償で使ってもい
いし、ソースも公開するね。いいもの作ったから、もし良かったら使ってね
というものである。

ただ、Give & Takeならぬ、Take & Takeはダメだよ。
バグが見つかったら教えて欲しいし、直してくれたらもっとうれしい。
お互いにGive & Takeしようよ、というものである。

ただそのソフトウェアを使ってビジネスにする場合もあるし、自分が全てつ
くったんだよと言ってうそつく人もいる。ソフトウェアの世界は、コン
ピューターが発明された当初と、そしてしばらく経ってUNIXが生まれて頃、
GNUの時代から今に至るときどきで、オープンソースの考え方があった。そ
れは、自分がつくったソフトは、誰かのソフトのお世話になっているから、
お互いさまに助けあうという話である。

象牙の塔に閉じこもり外界とは一切の情報を遮断して生み出したのならば、
それは特許と考えてよいが、ソフトの世界はなかなかそれはない。それは、
考えていることを具体的なところまで落とすことができれば、それはそのま
まソフトウェアになるからと言っても過言ではないと思う。その具体的なと
ころが、何らかのコンピューター言語で表現しないといけないのだが。

私もいくつかのアイディアを出してみるのだが、たいていはGoogleで検索す
るとひっかかる。あるいは、ほぼ同時期にソフトを出している。応募中の未
踏のものだって同じ事を考えているケースがいくつもある。それは条件がそ
ろえば、同じ発想をする可能性があるからであろう。ただ、どこまで具体的
に掘り下げて、わかりやすく表現し、それを実現に導くのかその違いだと思う。

「必要は発明の母」というように、必要と思わないことを実現するアイディ
アや発明は生まれにくい。Ajaxだって、前職でJavaScriptをかなり掘り下げ
て学んでいたので、非同期通信がInternet Explorerでできることはわかっ
ていた。しかし、プロジェクトが必要としないので使わなかった。それに、
他のブラウザでは使えないと思っていた。それがFirefoxが出現していつの
間にか別の形で実現していたのを知ったのはAjaxを知った後だった。
Internet Explorer 6まではご存知のとおり、Windowsに含まれている
ActiveXを使ってやるという方法で将来の互換性も問題になる可能性があっ
たからである。Ajaxが流行ったのでマイクロソフトはそれを潰すことはしな
かったが。

ところで、Ruby on Railsというフレームワークをここ一週間学び始めてい
る。既存のオープンソースのソフトウェアを取り込んで、Webアプリケー
ションを作成する上での面倒な手間を減らすために、うまく作り上げている
と思う。しかも頻繁にバージョンアップをしていて、下手すると自分で作り
こんでいる部分が、後から簡単なライブラリとして提供されてしまい今まで
の開発が無駄になってしまう勢いである。

とてもすごいソフトウェアなのに、これはオープンソースである。
LinuxもApacheも結果として同じものとなった。

このソフトウェアとGoogleやYouTubeの違いはなんだろうかと考えた。

オープンソースのソフトウェアは開発中は着地しない点である。
着地し始めているところから、普通の人と接触が起きてそこからビジネスに
なりうる。オープンソースである間は地面につかないから、失速せずに飛び
続けることができる。「こうして欲しい」「ああして欲しい」という要望を
軽く聞き流し、目的の方向へ進んでいくのである。

Googleは全てのWebページを取り込んで、それを正確性と反応性を高めるこ
とに力を注いだ。理論的には前から考えられていたかもしれないが、それを
独自のLinuxの構造体の中でデータフロー的に検索をするということを成し
遂げた。

YouTubeは、動画をアップしてそれを見やすい形に変換する、そしてその動
画を提供するための帯域幅を柔軟にこなすシステムを作り上げた。その動画
を扱うという裏の技術もさることながら、それがビジネスになりうるかもし
れないというリスクにかけた。

どちらも既存の技術を用いた上で、さらにそれを具体的に実現することを成
し遂げた。そこには利用者の存在という地面に着地している。Googleはいく
つくかのベータ版の着地を何度か試みているが、まだ検索エンジンほどはう
まくいっていないようだ。技術的には成功しているがビジネスになりうると
いう着地点ではまだないのかもしれない。

ただ、その着地点は間違っているように思うかもしれないが、他の場所へ逃
げられないようにする罠なのかもしれないが。

話は戻って、このオープンソースは着地点をつくらずにどんどん飛び続ける
ものという感じがする。LinuxをつくったLinuxもRuby on Railsを作ったDHH
も大金持ちになったわけではないが、知名度の点ではGoogleやYouTubeなど
の成功者とはひけをとらない。稼いだ金の上で寝て過ごすほどのお金をもっ
ているわけではないが、その知名度はこれから仕事をして個人として生活を
していくには十分に違いない。

共産主義を考えたマルクスも、無抵抗主義のガンジーも、マザーテレサもお
金には苦労をしたかもしれないが充実した人生を送って結果を出した。ガン
ジーはインドとパキスタンが分裂したのは無念と感じた後で暗殺されてし
まったが。

オープンソースを支えている人はお互いさまとい考えがあることを述べた。
インターネットのおかげで情報を得るコストはこれまでになく低くなった。
そのため、世界同時多発的に同じ発想をしたりアイディアを出すことはもっ
と増えるだろう。特許出願も電話の発明のタイミングより厳しくなるかもし
れない。1分1秒の早さで、こちらの特許が優先されたと。そんな特許は果
たして意味があるだろうか?

そしてオープンソースの時代の流れは早く、特許の出願書類を作っている間
に陳腐化するかもしれない。Ruby on Railsを学んでいると、1,2ヶ月で
内容が更新されたりガラッと変わるような怖さがある。しかも、新しいもの
の方が優れているから新しいものを採用するしかない。

また特許出願より、先に誰かが同じアイディアを使ったソースを公開されて
しまったり、ブログなどで発表していたら、その特許はもはや無意味となる
かもしれない。

物理的にモノを作って発明する場合は、その発明にかかるコスト、実験環境
や材料などがかかるから競争は少ないが、ソフトの場合はパソコン1つでで
きてしまう。それが怖い。

いまさらオープンソースについて考えて古いといわれるかもしれないが、い
まさらながらオープンソースは思想や潮流になっていく怖さを感じている。

共産主義では国家は作れなかったが、その後社会民主主義として資本主義と
融合している国が多いように、このオープンソースという考え方は情報の垣
根をなくし、プライバシーや秘密はなくしてしまうのかもしれないと思っ
た。犯罪者は2chで糾弾されるから、検索エンジンと結びつけばさらに拍
車がかかる。情報を操作したりデマを流すのは、これからは難しくなるかも。

だって、北朝鮮も結構まるはだか状態じゃない。

Written by in: 楽天日記 | タグ: ,

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