6月
23
2006

【本】あなたはひとりじゃない

あなたはひとりじゃない
書名: 悩める 母たちへ 子供たちへ あなたはひとりじゃない
著者: 大平光代
出版: 光文社
定価: \1,400+税
ISBN4-334-97298-5

奈良で高校2年の16歳男が自宅に火を放ち、義理の母と弟・妹が亡くなっ
た。罪は罪だが、何が彼をここまで追い込んだろうか?

お父さんと同じように医者になるために、無理をしたのだろうか?
本当は医者になりたくなかったんだろうか?
それとも義理の母との関係がうまくいっていなかったのだろうか?

息子が2年生になって特殊学級へ入って少しは気が楽になったが、まだどう
やって一緒にやっていけばわからない。そして娘も小学校5年でそろそろ初
潮を迎える年頃。それよりも自分の収入を確保していかなければならない
し、妻ともうまくやっていかなくてはならない。

難題が山のようにあり、模範解答などはありはしない。
私だけが問題を抱えているわけではなく、生きている誰もが難題を抱えてい
る。難題を抱えていないように思う人は、自分の問題の範囲を広げれば世界
では戦争と貧困が起きていることに気付く。範囲を狭めれば、自分の身体で
がん細胞が1日1つはできていることに気付くだろう。

ところで、弁護士である大平さんが書いたこの本を読むと、とても心が休ま
る。ご存知のように中2でいじめを受けて割腹自殺を図ったが一命を取り止
めた。その後居場所を探して非行に走り、家を飛び出し16才で極道の妻に
なった。背中に刺青をして荒れていたが、養父と出会いをして立ち直った。
中卒ながら23歳で宅建、25歳で司法書士、29歳で司法試験をパスして、弁護
士として活躍されている。

彼女が週刊誌などで、子どもの非行で悩んでいるお母さんたちへの返事をま
とめた本である。彼女のいうことにはとても説得力があり、また温かみを感
じる。「子どもたちを非行から立ち直らせることには限界がある
が、初期のSOSのサインに気付けばなんとかなるかもしれない。」ということ
には真実味がある。

私も2年半前に東京のベンチャー企業をやめることになったが、いまでは良
かったかもしれないと思った。会社を立ち直らせることに全力を注ぎ込んで
いて、ほとんど家庭を顧みなかった。2年半前に息子がたんすに登って飛び
降りたときにガラスを割った。そして、妻が息子のしつけに悩み妻が風呂場
のガラスを割った。続いて娘がストレスで部屋のガラスを割った。あの3枚
のガラスはSOSだったのかもしれない。

なんとかそれから半分以上自宅にいるようにして、息子との関係を少し修復
した。息子が生まれてしばらくして東京のベンチャー企業に参画した私は、
週末しか顔を見せない父だったから、それ以来息子は私に甘え始めるように
なった。そして、妻や娘との関係も少しずつだが良くなっていて、それ以来
ガラスは割れていない。

最後に大平氏の言葉を載せておく。

お母さんがラクになるための十カ条

1. 「いい子」を求めないで
2. 世間体はよそにおいて、わが子を見て
3. 最後の居場所になってあげて…「頑張れ」の言い方には注意して
4. SOSのサインを見逃さないで
5. 体当たりで…信じて、信じて、そして信じて
6. 子どもの心に寄り添って
7. 「ボタンのかけ違い」を直すには、根本の原因にまで立ち返って
8. 希望を示してあげて
9. あせらず、時間をかけてあげて
10.お母さん、ひとりで抱え込まないで

Written by in: 楽天日記 |

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