6月
04
2006

【本】永遠の旅行者(上+下)

永遠の旅行者(上)

永遠の旅行者(下)

著者:橘 玲
出版社: 幻冬舎
値段:1600円×2+税
ISBN: 4344010116 + 4344010124

橘玲さんの本や、ゴミ投資家シリーズはいろいろ読んで勉強になっています。
これも、ロバートキヨサキ氏の「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズの日本版でもっと現実的な彼の本に引かれたのかもしれません。

この「永遠の旅行者」はPE(Perpetual Traveler)といい、1年に半年以上居住していない人は税金などが免除されるという性質を利用して税金を払わずにすむことだ。ただこの抜け穴は日本政府は塞ぎつつあるので注意だ。海外にずっといても相続税は払う義務は生じるし、海外にいても日本で得た収入は払う必要がある場合もある。仮に日本に居住していないと認められた場合は、当然日本国のサービスは受けられないし、健康保険も入ることはできないだろう。だからある程度収入がある人にとって、この選択肢は活きる。

貯金があって働かなくてよければ、国民年金や健康保険は払わなくてはいけないが税金を払う必要はない一方で、国や市町村のサービスを受けることができる。それは世間に申し分けないような気がする。人が働いて税金を納めているときに、大学で学んだり、図書館で本を読んだりする。それはとても幸せで自由を感じる一方で、「このままで大丈夫かな」という不安を感じるけれども。

この本は小説です。
主人公は日本でエリート弁護士として働いていました。友人の自殺をきっかけに職を捨てました。その後、高給の収入で得た貯金を元にプライベートバンクを仲介に株で利益を得て、ときどき弁護士の仕事で得たノウハウを元にPEとして、ハワイや東南アジアなどを廻って自由な生活しています。

そんなかっこいい生活にあこがれますね。

そんな生活は不可能ではないけれど、どこでも活きていけるだけの能力か財産が必要です。組織に頼って収入を得ているのであればできませんから、医者や弁護士などのプロフェッショナルでないと難しいかもしれません。医者や弁護士も国ごとにライセンスがありますから、実質的にその職業でやっていけるかといえば難しいと思います。小説に出てくるように、外国にいながら日本人の個人相手のコンサルタントのように生活の糧を得るしか選択肢がないかもしれません。

ゴルゴ13はどの政府や組織とも対等の契約をしますので、彼が本当のPEなんでしょうね。

今後、コンピューターの中のバーチャルな世界というものが実現されて、その中で生活の糧を得ることができたらどうなるんでしょうか?ゲームの開発やオンライン小説などをバーチャルな世界で書いて、それをバーチャルな世界で他の人から報酬を得ます。バーチャルな世界でほとんどをやりとりして、肉体本体の生活、例えばパンを買ったりするために一部のお金を日本円やドルに換金します。

日本円やドルに換金した日常生活に必要な部分だけが、日本政府からみれば報酬を得たということになれば、わずかな税金かもしれません。そして蓄財はバーチャルな世界だけで済ましてしまう。Edyによってお金をバーチャルなものにできたので、例えばタックスヘーブンな国が独自通貨をバーチャルマネーにして、それを流通させます。あるいはマイクロソフトやGoogle、シティバンクのような巨大企業が、自分の会社のサービスだけで通用する通貨を用意します。それらの企業は小さな一国よりも大きなお金を流通させる力があります。それらの企業がサービスを内部で還流させれば、外とお金をやり取りする部分だけが税金の対象になるといえなくもないのではと思います。

小さな企業どおしが取引するときは、そこに印紙税や消費税が発生します。
でも企業内で取引するときは、発生しません。
それを、企業のサービスで行った場合です。(あれ、ビックカメラのポイントって消費税かかったかな。。。?)

なんてことを思うと、21世紀は国という概念が大きく変わるのかもしれません。
遠くの日本人より近くの外国人の方が身近に思ってしまうのですから。

「PEはバックパッカーと違う」と本の中でかかれていますが、貧乏版のPEがバックパッカーと言えなくもないです。日本でアルバイトしたり、欧米の日本食レストランで皿洗いなどをしながら小銭を貯めて、そのお金で世界中を旅行している人が年間1万人ぐらいいると思います。

昔と今では事情が違うかもしれませんが、多くの人は数ヶ月ぐらい旅行して日本に帰ってきて、しばらくするとまた出かけます。でも中には数年ぐらい日本に帰ってこない人もいますし、もうイっちゃった人もいました。中にはLonely Planetなどの旅行ガイドブックを書くための、確認旅行をしている人もいました。

バングラデシッシュの若者は平和を訴えるために、世界中を歩きながら無銭旅行をしているという話を聞いたことがあります。

小説の内容は、著者の前作「マネーロンダリング」と重なる部分は多かったのですが、おもしろく読ませていただきました。小説としての技量も高いと思います。そしてPEとしてのいろいろな裏技を楽しく学ぶことができました。

Written by in: 楽天日記 |

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