3月
09
2006

人の価値

夜寝る前に、妻と一緒に布団に入って、妻が寝入るまでの間に10分ぐらい話すことにしている。
妻は電気を消して布団に入ると、カトリックのお祈りをする。
何かを1分ぐらい唱えて、手で十字を切る。そして私は何かの話題を切り出す。

妻が一生懸命慣れない日本語で、今日一日あったことを屈託なく話す。
たいていは、悩み多き息子のことが多いが、フィリピンの家族のことや友達のことを話すことが多い。
私は聞いていることが多いが、年頃の娘のことを尋ねたり、仕事のことや週末の予定を話す。

最近はフィリピンの家族のことを話すことがめっきり減った。
フィリピンの家族からの電話は、まずお金の無心から始まるので、嫌になってしまう。私がサラリーマンのときは安定して収入があったので、妻の母や兄弟に多少あげる余裕があった。だけど、兄弟はそれを期待する一方で、娘の息子の教育費の問題や私の不安定な仕事のことで不安を感じ取り、フィリピンからの連絡は嫌になったみたいだ。

また、妻の友達も苦労している人が多い。
夫がいまだにフィリピンパブにはまっていて、お金を散財してしまう。その奥さんからの悩みの電話がある。また結婚したばっかりで、日本の生活になじめず、フィリピンの親族にお金を送りたいのだけど、夫に言い出せないでいる。日本人の夫と離婚した女性。まあいろいろである。

話していていつも感じるのは、日本とフィリピンの物価の差。

妻の実家があるボホールは、平均月収が1万円から2万円。農業・漁業と観光しかないところだ。
妻の親族は、なかなか生活が成り立たないという。それならば、なぜ結婚して、子どもを産んで育てているのか?現に成り立っているのではないか?
彼らのしている仕事は何か?現物のデザイン関係(ジープニーやTシャツ、お墓など)であるが、島にある会社やお店、個人相手に仕事をしている。それでは、お金はない人からない人にしかまわらない。
彼らに中国語や日本語の語学技術があればあるいはコンピューター技術があれば、市場がもっと広まるかもしれない。

そうやって市場を広げようとしない限り、何もかわらないだろうと思う。
いや限られた技術や市場の元でやっていると、先細りする可能性は高い。

彼らが能力が低いかというとそうでもない。
日本人の中で彼らより能力の低い人はたくさんいる。
しかし、収入はその日本人より10倍以上低い。

では人の価値はどうだろうか?10分の1以下であろうか?

人道主義的にいえば、いやそんなことはない。
人間は平等だというだろう。
「人の命は地球より重い」といった宰相もいた。   ほんとかい?

しかし経済価値は、10分の1以下なんだろうな。
だって、報酬がそうなんだもの。年収数十億円払うCEOもいれば、年間に1万円も稼げない人がいる。

つまるところ、人の価値というのは、その人を必要とする人が価値を認めることで決まる。
自分の家族の価値は高い。自分にとって必要な人の価値も高い。自分にとって、害悪の人の価値は低いどころか、マイナスだろう。価値の基準が経済力であれば、文化的な価値でもよい、何か人々に貢献することが価値ではないだろうか?しかし、今の世の中に貢献するのではないけれど、将来貢献することになるかもしれない芸術家は、今の世の中で評価できない。それはどうしよう。

では、世の中にたくさん人間がいるが、その中の一人であるAさんの価値はどうなんだ。
Aさんの価値を高いという人がいれば、低いという人もいる。マイナスだと思う人がいる。
その価値を積算すれば、Aさんの価値は出てくるだろうか?

そうやってAさんの価値を計算して、基準より不足していれば税金を払って価値を高めてもらう。価値が基準より高ければ、逆に寄付を受け取ることができる。そうやって、平準化することはできるだろうか?

そうすれば、お金を得ずしても世の中に貢献している人は、寄付だけで生きていけるかもしれない。何もせずにいるニートは世の中に貢献していなければ、多額の税金を払わなければならない。それが払えないのならば、不要となる。親がニートを必要だと思えば、親がニートを価値あるものだと評価する。親は評価した分だけ自分の価値を譲り渡したことになる。

現在、これらの価値は、お金という尺度だけで成り立っているところがある。
私はそれに時間というのを加えたい。

その価値がなかったら、生きる資格はないというのは行き過ぎであろうか?
世の中は、お互いに支えあう社会である。人に頼っていて生きていてもいいんだったら、みんな頼ってしまうのではないだろうか?

一昔前は、「人に迷惑をかけない」という生き方があった。今はそれはあまり感じられない。
それならば、人間の価値というものの基準を設けてみたらいかがだろうか?

いまはそれを議論すること自体がタブーにとらわれている。

Written by in: 楽天日記 | タグ: ,

コメントはまだありません »


コメント&トラックバック




トラックバック URL

コメントのRSS feed