2月
26
2006

【本】ウェブ進化論

書名:ウェブ進化論
著者:梅田望夫
ちくま新書
ISBN4-480-06285-8
\740+税

本が出版されてからすぐに入手して読んだ。
2回目読んでから感想を書こうと思って、心の中でころがしている。でも2回目をまだ読む気になれない。

著者は、Googleという会社が起きていることの社会的変化を述べている。
私も2000年の終わり頃からGoogleを使い始めている。Webを使い始めたときは、DECのAltavistaがいいなと思い、その後YahooやGooの検索エンジン。だけど、検索窓のシンプルさ、検索結果の早さが気に入って、Googleばっかりだ。

Googleが他の会社と異なるというのは、以前からニュースで感じていた。
AmazonもGoogleも黒字になる前の長い間、水面下で努力していたという感じがあった。ITバブルも潜り抜けた。Googleは技術に磨きをかけていたし、Amazonは消費者とメーカーの顧客リストを集めていた。

そして、いま両者ともその努力が実って、勢いづいている。
(コメディアンが不毛の時代に努力を積み重ねた方が、一度売れると芸の深さで長い間売れるというのと、似ているかな!?冗談です)

Googleが何をやっているかということを著者は「あちら側」の開発を行っているといっている。それに対して、日本のIT産業は「こちら側」である。

普通の人がIT産業に浮かぶイメージは、「こちら側」である。つまり、私たち一般の人が目にするコンピューターシステムのことである。ホームページやブログ、Webを使った楽天などのEコマース、Yahooの画面に見えるシステムである。会社に導入される生産管理システムや勘定系のシステムがそうかもしれない。

「あちら側」というのは、システムの裏側で切磋琢磨しているところだと思う。
Googleエンジンの仕組みや、ERPというシステムの内部的なところだったり、少し顧客とは離れたところで動いているところである。

それは、日本のIT産業は顧客主導によるものが多いからであるともいえる。顧客がもつ業務の特殊性にあわせて、顧客の業務を自動化したり効率化することが目的だからだ。顧客の業務それ自身を変えるのは、コンピューターシステムではない。

顧客の特殊性をできるだけ汎用化させると、コンピューターシステムも汎用化になる。その汎用的なコンピューターシステムは複数の企業で共通して使うことができ、納期も短縮、コストも安くできる。それだけではない、特殊性にかかわる費用を別の目的に使うことができる。

日本に限らず多くの会社でERPの導入に失敗しているのは、その特殊性を捨て切れなかったことにある。どこまで捨てるかというところが難しい。この話は私は専門化ではないので、これ以上は述べない。

Googleに話を戻すと、Googleは検索エンジンをつくることに特化した。
検索エンジンがビジネスになるとは誰も思わなかった。世界中のWebを検索対象にして、正確にしかもすばやく結果が出せると思えなかった。それをGoogleは、独自のシステムを作り上げ、やりとげた。

Googleは、世界中から優秀なエンジニアを集めて、それぞれ3人ぐらいの少人数で開発をさせている。Google Map、Google Earth、Google Mail、Webで簡単にページを作ることができるものなどいろいろである。
このエンジニア集団だけで、何が生み出されるかわからない。
悪く言えば、たくさんのゴミソフトかもしれない。ただ、Googleは世界中の情報を利用者のもとに自由に流通して届けることを行っている。裏では研究開発を革新的に行っている。

古い話だが、アルピン・トフラーの「第三の波」、ピーター・ドラッカーの「テクノロジストの条件」で予言された、集団であるかもしれない。

この本を紹介しているある人は、著者はブログで意見を述べることが多い。著者のコンサルティング業務で持論を転換しても、わかってもらえないそうだ。そのため、古いメディアを用いて、少しでも持論を広げることができればという気持ちがあるそうだ。

私も以前から同じ考えである。

以前のブログでちょっとした未来予測をした。ただこれからの未来のことを書こうと思って、途中まで書いたけれどSFのようになってしまって現実味が出てこないので、このブログに載せていない。

仮想現実の行く末が、著者の「あちら側」の世界への参加ではないかと思う。
「こちら側」の世界では、私たちの生活があるところである。私たちは生き物であるので、食べたり飲んだり排泄したり、寝たり、生殖行動をしたりというのは、すべて現実の世界で行っている。これは、すべて「こちら側」の世界で「こちら側」のコンピューターシステムと絡んでいることである。

「あちら側」のシステムは、コンピューターの中に情報を探ったり最適化したりする世界がある。まだその世界は未発達で、「こちら側」の住人にはわかりづらい世界である。簡単に比喩をすれば、マトリックスの世界である。現実の世界の時間や重力の物理学と、マトリックスの仮想現実の世界では時間が止まり、重力の制約がなくなる物理現象がある。

私たちの持つ比喩はそれが限界である。
数学の世界では、現実の比喩と絡めつつも仮想の世界での法則(定義、定理)を扱う。

将来起こりうることは、ときおり数学の世界から現実に影響を与えることがあるのだ。暗号化の方法や線形代数における特許事件(カーマーカー法)などである。そして、こういった数学的なことが裁判官や政府のリーダーに理解できないので、これからは特許を申請せずこっそりつ使われていくに違いないと思う。Googleの検索手段やGoogle Talkなど、直接利用者に触れるものは特許紛争になるので、特許を申請すると思う。

つまり「こちら側」の世界だけにしか興味なければ、こういった話はわからない。そして、ときおり天災のように「あちら側」から革新的なことが波及することが起こる。

私も時間の半分以上を「あちら側」で過ごすかもしれないので、「こちら側」の仕事を半分くらいやって生活できればと思う。

Written by in: 楽天日記 |

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