2月
11
2006

「深い技術」と「早い技術」

うまいこというなと思ったのが、このタイトルの表現。
梅田望夫さんが、ネットでそして「ウェブ進化論」という本でこの表現を使っている。

http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000050154,20095905,00.htm

「深い技術」というのは、Googleがやっている研究開発や大学の基礎研究に相当することだと思う。周りの技術に影響されず、はっと気づいたときには大きな影響を与える。そしてその技術は、追いつこうと思っても簡単にできない。一方で、「早い技術」というのは「深い技術」と反対で流行の技術ですぐに応用ができる技術である。問題は誰が早くその技術を使って商品やサービスを提供するかということにある。

Googleの検索技術は、他の会社がなかなか追いつけない。IBMがときおり商品化する技術は、やはり独特の技術である。ヤフーや楽天、ライブドア、mixi、はてなの持っている技術は、どちらかといえば今流の技術である。少し時間と人をかければ、同じようなことを実現できる(失礼)。技術力よりも、資本力と営業力で引っ張っているところがある。

いま日本の会社を見回してみると、IT企業と呼ばれているところはこちらの「早い技術」の会社が多い。大手の会社も中小企業も受託開発、製品開発をしているが、基礎的なことをしている会社はいない。私も以前のベンチャー企業で、資本力がなくすぐに製品を作らねばならなかったので、「早い技術」を使った。

IT企業ではなく、自動車メーカーや電気メーカーはさすが世界に冠たる会社が多いだけあって、「深い技術」の会社が多い。トヨタ自動車はハイブリッド車を完成したし、ホンダはロボットを作り上げた。シャープも液晶で強いし、東芝、日立も基礎技術に強みがある。

梅田さんによると、アメリカでは「早い技術」よりも「深い技術」をもつ会社に投資が集中しているそうです。それは、「深い技術」を持っているところは、商売のネタをたくさん持っていることに他ならないだろうか?すぐにその技術を応用できるわけではないが、次々と種が芽を出す可能性がある。そして、その技術は他の会社の追随を許さない。資本力があれば、爆発的に伸びる可能性があるといえるだろう。

簡単にいえば「深い技術」の会社への投資はハイリスクハイリターンであり、「早い技術」はローリスクローリターンかもしえるかもしれない。ただ、現在のビジネスの環境は「深い技術」は競争が少ないのでリスクが下がり、「早い技術」は競争が激しいのでリスクが上がっているのでと思う。

映画もテレビもコンテンツ不足であるが、技術も同じことがいえるかもしれない。
世界がつながってみれば大量に消費することになり、生産力を高めようとすると、似たようなものばっかりの「早いコンテンツ」なのかもしれない。技術も世界の情報が早く入ると、どの会社も影響されて自然と「早い技術」の影響が強いかもしれない。それは、「早い技術」を行う会社がたくさんあり、「深い技術」をする会社が少ないという、需要供給の関係ともいえるかもしれない。

私が起業するのは、もちろん「深い技術」の方である。
Googleの検索技術の次は、Webに書いてある文脈を理解して、その内容を検索する技術が出てくると思う。そうなれば、情報の枝葉末節だけをとらえるSEO対策なんてものは意味がなくなる。そして、Web自体が本当の百科事典となる。Wikipediaすら必要なくなる。
その技術は、AIの技術であるが、人間と同じ知能なんてものは簡単には実現できない。
人間の知能と今の検索技術の間に線を引いて、その線上のどこかの点で次の検索技術を話題になると思う。Googleが最右翼であるが、どこかの大学での地道な研究で実現できるかもしれない。

私はとりあえず、正規分布より少し賢い検索ができないかなと、勉強しているところである。
誰か、見返りを考えない、人と金の投資をしてくれないかな….

Written by in: 楽天日記 |

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