8月
14
2005

フィリピンの回忌法要と義理の父の葬式

今日8月8日は義理の父のお兄さんの3回忌、そして義理の父の6回忌が8月12日でそのお祈りで、ロアイの義理の母の家へ行ってきました。

義理の父は6年前に脳梗塞で死亡しました。1942年生まれで57歳でした。その1ヶ月ほど前に、たまたまフィリピンへ帰郷することができたのは不幸中の幸いでした。一度も子どもたちに手をあげたことがないそうで、いつもにこやかな表情をしておりました。死ぬには少し早いですね。フィリピンは温暖な気候ですごしやすいです。たくさんのお年寄りがいます。しかし健康診断は普及していないし、栄養が偏っています。また医療が整っていないので、病状が進行しているのに気付かず、ぽっくり死んでしまうことが多いようです。

義理の父のお兄さんは、少し知恵遅れでしたが、義理の父の家族で一緒に生活しておりました。お父さんが亡くなって4年経った頃、近所の頭のおかしい人に斧で刺されて死にました。その頭のおかしい人は刑務所に入れられて、しばらくしたら自殺したそうです。

妻の家族はみんなカトリック教徒です。とはいっても、日本のカトリックとはミサの進行や細かなことは違うかもしれません。どちらも土着の習慣や宗教と結びついている蚊も知れません。フィリピンでは、サンタ・ニーニョという「キリストの幼子」という天使のような像を崇拝します。セブにそのサンタ・ニーニョを祭っている教会があり、遠くからお参りに来る人が多いです。各家庭に歯、十字架よりはマリア像やサンタ・ニーニョ像を並べています。

こちらでは、人が亡くなってから毎年、回忌法要があります。10年まで続くそうです。その回忌法要には親戚や近所の人が集まって祈りを捧げます。その回忌法要の10日前から毎日お祈りをするそうです。地元の熱心な信者がお祈りの言葉を捧げ、みんながその言葉に続きます。おおよそ30分ぐらい祈りの言葉を捧げるでしょうか?そのお祈りをする人にお布施のようなものを包みますし、またお祈りが終わった後にスナックや飲み物を振舞います。そして回忌法要では、食事を振舞います。そしてもちろん、お墓参りも行います。日本と同じような感じですが、ずいぶんと手間が掛かる感じです。たぶん、お布施の方は10日間で800ペソ(1600円)ぐらいで、スナックや食事もさほどお金をかけていません。だけど人が多いので、結局毎年2万円以上は掛かってしまうようです。

妻の父が亡くなったのは、1999年8月12日の朝方でした。
義理の母が朝食ができたことを大声で呼んでも起きてこないので、様子を見に行ったら、亡くなっていたとのことでした。まだその頃は携帯電話も普及していなかった(固定電話がなかった)ので、その日の夜にお姉さんから国際電話がかかってきました。ちょうどお盆の時期だったので、飛行機の便がとれるかどうか心配でした。その日の電話ではできるだけ早く行くとだけ伝えて、詳細は後で連絡すると伝えました。

そのときは勤めていたので、義理の父が亡くなった場合は3日ぐらい忌引きとして休めました。そして翌日会社に出かけて事情を話し、その日の半日分の休みと忌引き休み、そして足りない分は有給休暇を申請しました。私の妻の家族はフィリピン人であることを知らせていてその事情を取り計らってくれた、日本アイビーエム中部ソリューション株式会社とその上司の阿部さんに感謝します。すぐに旅行代理店に連絡して、一番早くいく飛行機を頼みました。明日のフライトで5日後に戻ってくる便で座席がとれました。お盆の最中ですがキャンセル待ちがあったのでしょうか。すぐにお金を払い込み、航空券は空港渡しでした。また妻とは名古屋駅で待ち合わせて、入国管理局へ行き再入国ビザを取得しました。そのとき幼稚園に通っている娘と1歳に満たない息子は、私の両親に預けました。

そのときはタグビラランへ飛ぶ飛行機便はなく、大阪発セブ行きになりました。その翌日の朝には大阪の関西国際空港へ行き、午後セブへ飛びました。セブには夜着いたのですが、ボホールから弟が迎えに来てくれていました。セブに着いた翌朝高速船でタグビラランへ行き、そこからトライシクル、ジープニーを乗り継いで、ロアイの義理の母の家についたのは10時をまわった頃だった。

義理のお父さんが亡くなってから、4日目にやっと着いたということになる。
フィリピンは土葬である。自宅の広間には祭壇が飾られており、そこに棺桶があった。棺桶の中に死体処理をした、義理の父が横たわっていた。義理の母とは挨拶をしたが、すぐに奥に引っ込んだ。長年連れ添った夫を突然亡くしたのは相当辛いようだ。

日本でいうお通夜や葬式は、フィリピンはどうするんだと妻に尋ねた。お通夜みたいなものは既に済んでいる。葬式は、身内のものがすべてそろったところで行うとのことだ。私たち日本組が一番遅かったので、私たちの到着を待っていたようだった。そして翌日葬式が執り行われることになった。それでも私たちが到着するまで、毎日何度か祈りが行われたようだった。私たちが到着した午後も、お祈りが行われた。

葬式の前の夜に、親族一同や近所の人が集まった。お通夜のようだった。
夜のお祈りの後、食事が振舞われる。そして、ばくちが始まった。
トランプを使って、2ヶ所でばくちが行われる。そこでのショバ代が、葬式の費用の一部になるそうだ。今回の葬式の費用は、フィリピン流にお金を持っている人、つまり私たちが払った。おおよそ15万円ぐらいだったろうか。

翌日の午後に、自宅での最後のお祈りが終わった後に、棺桶を男たちが担いで葬儀車に運んだ。全体が白っぽく作られた、ライトバンにデザインを施した車である。車の助手席には喪主の義理の母が乗る(喪主という言葉があるかどうかわからないが)。その車は歩く速度、時速4kmぐらいでゆっくり走る。そのあとを、親族一同、そして近所の人、また雇った楽団が音楽を奏でながら歩きます。教会まで歩いて1時間くらい掛かります。じめじめっとする暑い日でしたが、正装でぞろぞろ歩きました。私は、日本の夏の正装で歩きました。半そでのシャツと黒いズボンです。ネクタイはしませんでした。

通りを歩いていると、家からみんな出てきました。中には、コインをこちらに投げる人もいました。コインを投げて、それをまた葬式の費用に充てるのが慣わしのようです。私はビデオカメラで、一番前の車から最後尾まで撮影しました。そして、ロアイの教会までたどり着きました。教会の中へ、男たちは棺桶を担いで、最前列に起きました。そして親族や近所の人たちが、教会の席につきました。しばらくすると、神父さんが入場されて、ミサが始まりました。ミサの後に葬式を執り行いました。何を言っているかわからないのですが、荘厳な感じです。

その後、再び棺桶を担いで車に入れ、山の上にある墓場まで行きました。墓場は家の近くにあるので、また1時間近く歩いたことになります。お墓には葬儀屋の人が、地面をセメントで箱のように固めていました。横にまだ乾いていないセメントがあります。棺桶をのそのセメントの箱の中に置きました。親族は最後の別れです。全員が棺桶の窓を開き、義理の父にお別れを言いました。そして葬儀屋が、セメントの箱のふちに塗り、セメントつくった蓋をしました。もうこれで開けることができません。ゆっくりと、義理の父の身体は腐敗していくんでしょうね。

蓋をした後に、花を弔い即席のお祈りを捧げて終わりました。後日、お墓のプレートを一番上の義理の兄がつくると言っておりました。数年後お墓を見ましたが、通常の2倍の大きなプレートを作ってありました。義理の兄の気持ちが伝わります。義理の父、義理の兄弟の仕事は、お墓のプレートをデザインして作る仕事もしています。

明日の午後にセブに戻って、その翌日飛行機で日本へ帰ります。フィリピンではどんな展開になるかわからないので、1日遅れてもよいようにしておきました。そのため、義理の父の死後にどうするかという話し合いをしました。お金を援助してきて、この葬儀費用も全部出した私たち、特に妻の発言権が強かったです。妻は結婚前まで、女子高生にも見える、おとなしいシャイな女性でしたが、強くなりました。子どもを2人産んだせいか、それとも日本での生活のせいか、私と結婚したせいでしょうか?妻自身も取り仕切れる自分に驚いたようです。

妻が音頭をとって決めたことは次のようなことです。
・お父さんの財産は、お母さんが引き継ぐ
・お母さんが亡くなるまで、財産は兄弟で分配しない
・お母さんへの援助は兄弟全員で分担する → 結局は私たちだけが資金援助をしており、他の兄弟は身体で提供するということになっているようです
・お父さんの仕事は、2番目のお兄さんが引き継ぎ、下の兄弟たちを雇う

義理のお父さんの訓練を受けた、息子たちは4人おりました。みんなで一緒に事業を構えていけば、大きな仕事もでき、収益性も高まると思います。またお父さんから引き継いだ仕事の技だけではなく、コンピューターによるデザインなどをしないとビジネスは先細りになるよと伝えました。残念ながら、6年経って兄弟たちはばらばらに仕事をしています。そして将来はどうなるんだろうと不安に思っています。

たぶん、ボホールにいると情報がないので、世の中の動きや将来に対する見通しが利かないんでしょう。そして、それを見る目を持つのは教育なんだと思います。いくら私が言っても聞く耳を持ってくれていないし、説明してもわかってもらえません。目の前に、大波が来ないと対策を考えないのかなと思います。親しい兄弟だけど、とても残念です。

Written by in: 楽天日記 | タグ: ,

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