8月
13
2005

フィリピン版 起業バカ 後編

ところで、フィリピン女性と結婚した日本人男性の多くは、奥さんの家族にお金を送っています。たぶんアメリカ人など他の国の人の場合も同じでしょう。日本に出稼ぎに来た人ならばなおさらです。日本にホステスとしてやってきた人が日本人男性と結婚すると、それまでの送金が途絶えてしまいます。結婚後もホステスの仕事を続けるか、仕事を辞めるならば男性が代わりに送金しなくてはなりません。

私はホステスの仕事をすることはありえませんし、水商売の経験もありません。しかし、水商売はとてもストレスのたまる仕事だと思います。お客を接待する仕事に向いている人もいるでしょうが、そうでない場合は仕事から逃れたいために結婚をした人もいるでしょう。だけどそうやって結婚した男性した男性の多くは、フィリピンパブでかなりのお金を使っています。盛大な結婚式をあげて、結婚時にたくさんの結婚を両親に与えています。それでフィリピンの家族は新郎はお金持ちだと勘違いしてしまいます。

その後、フィリピンの家族はもっとたくさんのお金を送ってくれると期待してしまうのですが、新しい家族にはその余裕がありません。自分たちの生活にもたくさんのお金がかかり、これまでフィリピンパブでたくさんお金を使ったので貯金も底をつきています。そして奥さんは仕事を辞めています。フィリピンからはコレクトコールでお金の催促、フィリピン女性と結婚した夫は「これでフィリピンパブでお金を使わなくて済む」とお金を出し惜しみします。双方に奥さんははさまれてストレスを感じて、パチンコをしてストレスを発散します。

やがてお金がないので、奥さんはホステスの仕事にでるか、妊娠します。いまフィリピンパブへいくと、フィリピンからの若い女性が来づらくなっていますので、多くが結婚している女性です。結婚している人をアサワといいますので、アサワーズ。フィリピンパブへ行っても結婚することはできません。それでもフィリピンパブにいる女性の中で元気がいい人は、より素敵な(=お金持ち)の男性を探します。夫は夫で、フィリピンパブでちやほやされた思い出がありますので、結婚後も結婚指輪を外して、またフィリピンパブへ通います。

そして最後は破局です。
アメリカや欧州での離婚率は50%です。日本人どおしも40%に手が届くほどになりました。フィリピン女性と日本人男性の離婚率も50%を超えています。しかもフィリピン女性との結婚はここ10年で増えてきた現象ですので、早期に離婚する率が非常に高いといえます。(フィリピン人男性と日本人女性の結婚数は少ないですが、離婚率は80%以上です!)

こうしてお互いが噛み合わなくなった夫婦は離婚をします。しかし女性は強し。フィリピン女性は、結婚ビザから永住ビザに切り替えて、フィリピンパブでホステスとして働き力強く生きています(子どもの教育などいろいろ問題はあるのですが)。夜にホステスで働くにしろ、フィリピンで働くよりずっとましなものですから。

タイトルに戻ります。
私の義理の父はその道30年の職人でしたが、事業に失敗しています。経営センスがなかったというべきかもしれません。フィリピン女性と結婚して、退職金あるいはかなりのお金を女性の家族に渡してしまう例が多いです。家を買うこともあります。こちらではその家をジャパユキ御殿という言い方をしています。または兄弟に仕事をさせるために、ジプニーを数台買って、乗合バスのジプニー会社を運営させる場合もあります。また両親や姉妹のためにサリサリストアを運営させる人もいます。サリサリストアとは、お菓子やコーラ、お酒、夕食のおかずなどを売るよろずやです。商品だけを都心のスーパーマーケットで購入して、少し高くして売ります。しかし、たいていの場合失敗しているようです。いま思えば、フィリピン版起業バカかもしれません。

ジプニーは主に日本からエンジンなどを輸入して、フィリピン人の手で乗合バスを組み立てます。かつては米軍のジープを払い下げたものを改造したので、この名前がついています。いまではエンジンや基本の部品を日本の中古トラックのものを使い、車体などは部品から組み立てています。トラックの荷台の部分に両側に長椅子をつけて、屋根をつけたものです。マニラやセブでは日本のバス路線のように、ルートが決まっていて、固定料金です。田舎では、ルートは決まっていますが、料金は距離によって決まっています。ジプニーを開業するためには、こちらの陸運局のようなところに申請します。料金については陸運局が決定しているようです。ジプニーはおおよそ100万円に満たない金額でしょう。最近ジプニーが使うエンジンが中古の質の悪いエンジンを使っているため、排出ガスが真っ黒でそれが空気汚染させているので、政府としてはジプニーを制限するような動きがあります。

しかしジープニーは雨の日も風の日も走りつづける仕事で大変な一方で、競争が激しいです。それは運転免許を得てジープニーを購入する資金があれば、誰でも始めることができる事業だからです。お金を簡単に得ることができて、その事業に素人であれば、事業の継続をするのは無理でしょう。辛い仕事に嫌気がさし、お金を自分の懐に入れるようになり、軽油を買うお金にも困ります。そのうち借金して走るか、ジープニーが故障したときにお金がなく、それで最後はせっかく手に入れたジープニーを売り払います。最初から、収益予測と資金管理、故障したときとかガソリンの値段が上がったときの危機対策を講じないとすぐダメになってしまいます。

サリサリストアは、商品を仕入れて自宅の一部を売場に改造すれば商売を始めることができるのでもっと気楽です。10万円あれば始めることができるでしょう。ところがこちらは別の問題があります。ほとんどのフィリピン人は、つけで商品を購入しているのです。現金で買ってくれる人はほとんどいません。フィリピン人もつけで買えますので、とりあえず手に入る商品をあてにします。石鹸やシャンプー、お酒、タバコなどを気楽にサリサリストアで手に入れます。そしてつけの支払いを求めるのですが、支払う方は他のものに使ってしまっています。それではつけを払ってくれなきゃ商品を売らないといいますと、2度とサリサリストアには近づかないようになります。結局、つけが滞って、資金繰りに困ってサリサリストアを閉じることになります。

フィリピン人は本当はお金を支払いたいという気持ちを少しかもしれませんが、考えています。ところがお金が入ると、すぐ使っちゃうのです。「江戸っ子は宵越しの金は持たない」という考えがあります。お金がたくさん入ると気前良くみんなにおごり、パーティをして見栄をはり、その結果いつもお金がないと言っています。

しかしフィリピン人にもいろいろいます。わずかながらもお金を貯めて、家を建て、教育に投資した人もいます。そういうところから、少しずつ中産階級は生まれています。口でいくら言っても通じないと、最近思うようになりました。「金持ち父さん、貧乏父さん」のような本は、そういう人に良い啓蒙書ですが、まだフィリピンの本屋で売られていないようです。というよりも、フィリピンの本屋では圧倒的にタガログ語の本、英語の本の流通量、品揃えが少なすぎます。流通している本は、ハーレークインロマンスのフィリピン版やアメリカのマンガのような本ばかり。日本では本を読む人が減ってきたと言われますが、本の品揃えや流通量が英語の本を含めても10分の1にも満ちません。本を読む人が減ってきたといわれる日本ですが、まだまだずっと増しです。ただ中国はこの10年以上行っていませんが、15年前の中国でも本屋はかなりの品揃えがありましたので、中国人の学習熱・向上熱は高いと思います。

日本でも同じですが、フィリピンでも、教育はサラリーマンになるため勤め人になるための教育を受けます。だから自分で事業を起こしたときの準備はいっさいないのです。またフィリピン人に投資する日本人も、その是非がわかりません。だからほとんどの場合は提供したお金は無駄になってしまいます。

これまでフィリピンに来るたびに、フィリピンでビジネスを始めるにはどうすればよいか、フィリピン人を雇用するにはどうすればよいかを考えてきました。フィリピンには成熟していない産業がいくつかありますので、日本で成熟した産業のマネをすれば成功する可能性はあります。ただフィリピン人を雇うときに日本的な方法を用いてはいけないし、かなり注意しないといけないなとつくづく思います。それならば、既にフィリピンで成功している華人のビジネスに倣うのがよいかなと思いました。

素人が取り組んでも、フィリピン版起業バカになるだけですから。

Written by in: 楽天日記 | タグ: ,

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