6月
03
2005

人工知能の布石(心の社会)

だんだんと、ここから記憶が怪しくなってきます。

昨日まで、エキスパートシステムについて話してきたわけですが、その限界に挑
むべきいろいろな考え方が出てきました。下から積み上げていくようなエキス
パートシステムとは逆に、全体から俯瞰してみてみようという考え方をしよう。
また人間ではなくて、もっと単純な生命でみる、遺伝的アルゴリズム(Genetic
Algorythm)や人工生命の分野です。

まず、全体から俯瞰してみてみようというのには、社会の組織論(ホロン)や物
理論(フラクタル)のような考え方がありました。

・ホロン

大学生のときに、アーサーケストラーという人の本を紹介してもらいました。そ
こに、「ホロン革命」というセンセーショナルな題がついていました。

組織というものは、大きなものでも小さなものでもピラミッド状になっていると
思っていました。そうでなければ、無政府状態か、少人数の仲良しグループで
す。いずれ、一人のリーダーがうまれ、その下に人がつながります。その下の人
がリーダーになり、またその下に人がつながります。

そういうものだと思いました。
ホロンというのは、組織の一部も一つの小さな組織を構成するという考え方で
す。大きな組織は、トップから下まで一つの組織になっているのではなく、局部
的には組織を構成している。その組織があることに目を向けなければいけないと
されました。

・フラクタル

同時期私が大学に入学した頃に、当時大学院生だった高安秀樹さんが「フラクタ
ル研究会」というのを主催していたので、加入しました。高安さんは優秀な理論
物理学者で、ボストンへいかれて、今はソニー研究所で経済物理学をやられてい
ると思います。高安さんは大学時代は超常現象研究会にいらっしゃって怪しい人
でしたが、優秀な人でした。私もまじめにフラクタルを勉強しておりましたが、
コンピューターの方が面白くて深くまで入りませんでした。

このフラクタルとは、モノの形を計測する一つの方法で、形の複雑度を次元とい
うものではかったものです。景色にある山の形は遠くからみても、近くの岩を見
ても、デコボコの度合いが同じだろう。その形が複雑であれば、次元数が大きく
なり、単純であれば次元数が小さくなります。直線は1次元、平面は2次元、立
体は3次元、超立体は4次元、、、という場合の、次元数はモノの性質を表現す
るためにx軸、y軸、z軸、w軸と次元が増えていきます。岩の曲がり具合も、その
尺度でみれば(見るのは大変ですが)1.xx次元という小数次元となります。

物理的にも、大きく捉えてても小さく捉えても、それぞれの形は同一であるとい
えることになります。

そして、同じような考え方が人工知能にももたらします。

・心の社会(Society of Mind)

人工知能学者の大御所のミンスキーの代表的な著作に、「心の社会(Society of
Mind)」という本があります。彼の長年の研究から導きだされた一つの仮説です。

彼の仮説は、以下のようなものです。

脳を細分化したときに特定の機能を持つ部位があり、それらの部位が階層状(あ
るいはネットワーク状)になって、頭脳を構成している。

視覚を例にとれば、いろいろな部位があると言われています。
長方形を認識する部位、円を認識する部位、長方形と円の接するところを認識す
る部位、色や影を認識する部位など、もっといろいろ数え上げればいろいろある
でしょう。長方形を認識するだけの部位があるのか?という疑問もあるかもしれ
ませんが、「おばあさん」だけを認識する部位があるということも言われていま
した。

それぞれの部位が活性化すると、それが筒状のものなのか、こけしなのか、心棒
が長方形の輪なのか、それぞれの形を認識することができます。

それぞれの形が認識できたら、その形状の動きや他の形状との関係から、その形
状が認識したものであるかどうか再確認をして、データを上位の階層に渡します。

その形状がどんな意味を持つのか判断します。ボールが飛んできて、それをバッ
トに当たるという認識があれば、思いっきりバットを振りぬいてホームランを打
ちます。

脳のそれぞれの部位は、脳全体でどんな動きをするかということは理解していま
せん。しかし、それぞれの部位は自分の仕事をしているのです。あたかも、アリ
がその部位で、アリ全体がアリ社会を構成している感じに似ているといえば、い
いすぎでしょうか。

そのため、脳を分析するには、アリ一匹を研究するのか、アリの社会を研究する
のか、両方とも大切です。しかも、一匹一匹異なる性質をもったアリが数億いる
のです。そしてそれが社会を構成している。つまりアリが脳細胞で社会が脳とい
えなくもない。分析対象はとても大きく、いまだにやることはありません。

(明日は遺伝的アルゴリズムなど)

Written by in: 楽天日記 |

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