5月
21
2005

手活(しゅかつ)

手活(しゅかつ)、商売するときは常に手が活きていなければならない。
ビジネスには、敏捷性と融通性が必要である。

1. 「一つの領域や世界に固執せず、具体的な状況に基づいて、すばやく柔軟に反応せよ。また全方位に事業範囲を拡大すべきだ」

胡雪岩は、まず自分が経験した銭荘(銀行)業を始めた。
生糸が西洋商人から買い叩かれていることを知ると、国や国民そして利益のために、生糸事業に着手する。門外漢ではあるが、生糸事業に明るい人を雇って任せて、自分はビジネス環境を整えることに専念する。
次に、知人に製薬業の秘伝を持っている人がいれば、三顧の礼で迎い入れ、製薬事業を始める。それも信頼おける番頭に事業を任せる。

全ての事業とも関連性はない。また胡雪岩は間接的にビジネス環境を整えるだけで、直接事業に携わらず全てを番頭に任せた。
事業にはうまくいくときと、いかないときの波がある。複数の事業を行えば、ある事業がうまくいっているときは他の事業を助けることができる。そして製薬業を行うことで、広く名が知られ信頼を得る。また銭荘は政府と結びつき、生糸事業は生糸事業に携わる人たちやまたそれを運ぶ海運業のひとたちとも結びつく。
いろいろな方面の人と手を結び、事業を安泰にすることが可能となる。

よくコア・コンピテンシーというが、各事業は徹底的にそれを実践して、その上で胡雪岩は事業をほとんど人に任せて、事業間の相乗効果を得ていたようだ。

2. 「反応や対処は迅速に行うことである。どんな問題が発生しても、すぐに解決に着手し、円満に解決すべきだ。問題の検討、分析、処理の過程でミスや漏れをなくし、チャンスに遭遇したら決してそれを見過ごしたり、失ったりしてはらならない。」

ベトナムから無一文で逃れた難民だったが、8年で香港のアルミ生産量の3/4、労働者数の1/3を占めるようになった「同記アルニミニウム工程有限公司」社長の温成同は、こういっている。

「ビジネスに秘訣はない、ただチャンスがあるだけだ」

チャンスがめぐってきたら果敢に行動する。需要が見込めれば、資本を投下して、工場をつくる。たとえ借金に不安を感じたとしても。
顧客ごとに接し方を変えて、柔軟な姿勢で相手の好みに合わせ、心をつかむ。高額の取引を成立したいときは、顧客に他の会社と接触する時間を与えないように、顧客の日程をすべてアレンジすることもあった。彼と取引の話をする顧客は、成約しないと彼に申し訳ないような気持ちにさせられた。

また温成同は、社員の積極性を引き出し、会社の方針に対して共鳴や支持の気持ちを持つように仕向けることも優れていた。問題が起きると、社員たちに問題をありのままに説明した。社員たちは会社の困難を自分のことのように考え、全員が進んで残業した。もちろん温成同自身も残業する。そして仕事が終われば、ねぎらって酒と料理を振る舞い、残業代も出して、社員たちは喜んで帰る。そして問題も効率的に解決できた。

このように企業の機動性と適応能力を高めるためには、企業内外の条件が保障されていなければならない。外には情報と信用、評判を重視し、内には人材と効率を重視することが不可欠である。

3. 「策略をめぐらし、手立てを講じる。ただし、必ず優れて絶妙で、隙のないものでなくてならず、安易に手軽な策略を使ってはならない。また手立てを高ずる際には、あらゆる要素を考慮して考えの幅を広げなければならない。」

三国志に出てくる諸葛亮孔明のような軍師な策略や手立てを行っている。
敵がいれば、相手の弱点を見つけてそこが原因で失敗するような策をとる。そして追い詰められていくが、逃げ場はあらかじめ塞いでいる。そして最後は策の術中に嵌ってしまう。ときに、女をつかったり、心理的に落とし込むようなことも考える。

現代では、道徳や法に背くことは注意しなくてはいけないが、その範囲内ではよくあることかもしれない。敵も策を練るだろうし、マーケッティングや取引自体が、そもそも策を練ることではないか。

では、こういった機動力を身につけるにはどうすればよいかと書いてある。

第一に、四方にアンテナを張りめぐらして、新しい情報を取り入れるように努めなければならない。
第二に、固定観念を捨てて、頭は常に柔軟にしておく必要がある。
第三に、どんな変化にも耐えられるように、組織も常に柔構造にしておかなければならない。

Written by in: 楽天日記 |

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