1月
11
2005

妻への遺書

いつもありがとう。

結婚して10年、君を幸せにできたかどうかわからない。
洗濯や掃除、食事の用意に後片付け、僕の家事の仕事を全部やってきてく
れてありがとう。頭が痛いときも熱があるときも、多くは無理して料理し
てくれた。

「今日は身体の調子が悪いから、簡単なものでごめんね」といいながら、
昨日の残り物を暖めて、ごはんにふりかけをかけて出してくれたこともあ
った。いいんだ、腹さえ膨れりゃ気にしない。

仕事のストレスが溜まったときなど、つい愚痴をこぼしたり、大声でどな
ったりしたこともあった。そのときも、愚痴る僕を無視したり、言い返さ
れたりしたこともあったけど、お互いが人間だからしゃあない。

夜遅くまで仕事をがんばっているときは、そっと励まし身体の心配をかけ
てくれたり、一人で夜更かししてテレビゲームで遊んでいるときや映画を
見ているときは、小言で注意してくれた。心配かけてわるかった。

娘のさゆりは、かわいくて気が強い。何でも一所懸命にやる。君にそっく
りだ。彼女は自分で自分の道を切り開いていくだろう。君が思っているこ
とをそのまま彼女に言えばいいんじゃないかな。きっといい子になると思
うよ。

息子の達也は、おちゃらけで楽しいことが好きだ。僕に似ているところも
あるが、ずっと寂しがりやで人の顔色を見ているところがある。本当は頭
のいい子どもだと思うから、彼をじっと最後まで信頼すればいいと思う。
決して彼を裏切らないし、最後までみかただからねと。

子どもが大人になるまで、君と二人で見守りたかったけど、ゴメン。また、
子どもが巣立った後は、パリやスペインなどいろいろとゆっくり旅行した
かったけど、ゴメン。老後は夫婦以上のいい友達でもいたかったけど、ゴ
メン。

10年ではまだ君のことはよくわからなかったな。そして僕のこともまだわ
からないんだろうな。男と女だから永遠にわかりえないかもしれないけど。
死んでからは時間が十分にあるから、そのときにでも一緒に考えよう。

先に棺桶で待っているからね。死ぬまで楽しい人生を送っておくれ。
死ぬまで時間があるから、すてきな男をみつけても、何も恨まないから。

ずっと愛している夫より。

いつ僕が死んでもいいように、そっと遺書を書いてみた。

Written by in: 楽天日記 |

コメントはまだありません »


コメント&トラックバック




トラックバック URL

コメントのRSS feed