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2013 年 11 月 のアーカイブ

[本]海賊と呼ばれた男

2013 年 11 月 22 日 コメントはありません


出光佐三という、出光興産創業者の伝記である。

出光という会社はガソリンスタンドのことぐらいしか知らなかった。ただ昔住んでいたところから車で10分ぐらいのところに石油精製工場があったことは覚えている。そういえば、中学校の時の彼女のお父さんは出光に勤めていたかな。
大学生になって、労働組合のない珍しい会社ということも聞いていたことぐらいかな。
だけど、その創業者がこの本に出てくるすごい人だとは、本を読むまで知らなかった。

小説の中ではあえて偽名にしているのは、会話などや具体的なところは作家の想像しているところであって本当のところではないという遠慮だからであろうか。でも、誇張も不足もない表現は、主人公を活き活きとさせ真実味が高く感じる。

戦前戦後を通して、出光興産はこんなにも倒産の危機を乗り越えてきたのかと驚く。
いつ潰れてもおかしくない状態がなんども続いたのにそれらを乗り越えてきたのは、社員の総力による力か、それとも天命なんだろうか。
同じような会社で、潰れてしまった会社がどれだけあるかわからないが、生き残ったのは稀有な存在なんだろう。
きっと社員の総力というのが、生き残るための必要条件であって、十分条件ではないのだろう。

タイトルになっている、海賊と呼ばれたくだり。
若い頃は、悪いことをしたのかな。それとも法律すれすれのことでもしたのかなと思ったが、いい意味で裏切られた。

彼は、少年ジャンプのヒーローのようだ。
障害が現れる。叩きのめされそうになるが、必死の状態でなんとか打ち勝つ。また次にさらに巨大な障害が現れる。それもなんとか打ち勝つ。そしてさらに次の障害が現れる。自分だったら最初の障害でタジタジなんだろう。

耐えて障害を乗り越えていくこと。これが新しい道を切り開いていくことにほかならない。
志があればそれに向かっていく仲間が現れる。自分に限界があっても仲間が代わりに助けてくれる。仲間が厳しい時は仲間を助ける。

ワンピースのようだなー。
現実にそんな人がいて、それを知らなかったのは残念だ。
きっと世の中にはそんな人がたくさんいるんだろうなぁ。

最後に、永遠の0の主人公がチラっと出てくるのは、作者のウィットだねぇ。

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[本]不格好経営

2013 年 11 月 21 日 コメントはありません

DeNAの元社長南場さんの半生を書いた、不格好経営を読んだ。
映像になるような場面が多く書かれていて、とても読みやすい。彼女を主人公にした映画を見るような軽さであった。

この本では主として以下の3点について述べている。

・コンサルタントで成功したからといって、実業でうまくいくわけではない。
・DeNAは最初は苦難の連続で、資金難や競合他社、自然災害などいろいろな困難に合った。倒産しそうなことも度々合ったが、なんとか今の状態まで来ることができた。優秀なスタッフに恵まれてみんなでなんとか乗り越えてきた。
・DeNAは世間では叩かれることもあるが、普通の社員が働いている普通の会社である。

Amazonのレビューを読むと、若者から搾取している会社であると叩かれることが多い。
搾取しているというのであれば、それはある意味必要悪のもので、酒・タバコの嗜好品やパチンコ・競馬・宝くじ(・保険)などのギャンブルと同じだと思う。

嗜好品は身体に良くはないが、ストレス解消で精神的には助かる。
ギャンブルも、楽しいと思うからやるのであり、持て余した時間があるからやるのかもしれない(個人的には株以外はやらない)。

コンサルティングは概ね形になっている事業について、戦略を立てたり調整をするようなもので、0から起こす事業のコンサルティングなんて誰もできない。それ自身が起業となっていて、著者がいう当たり前のことまでつくり上げるのが大変なことである。
組織というのは、今のサイズにとどまっているのはなにかしらうまくいかないところがあるからである。

そして決断。
不十分な情報から、数千人の社員と数万人の利害関係者の責任を伴った決断を即時にしないといけない。
その決断の責任の重さに潰れてしまいそうである。そして100%正しい決断とはいえないかもしれない。
「決断が正しいかどうかではなく、決断を正しくするのである」
(決定と書かれていたと思うが、後に引き戻せないという意味で決断という方がいいかな)

2番めのところが、やはりそうかという気になった。
優秀なスタッフを集めることができたのは、南場さんの人柄や魅力によるものであったろうと思う。失礼ながら、彼女以上に優秀な人がたくさん集まって、異能な存在がいまのDeNAを築いたと思う。
また人の実績や会社の実績は、どれほどの困難に耐えてきたかという度量に相関すると思う。

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